VTECの衝撃が国産メーカーを動かした
最初に名乗りをあげたのは三菱だ。1992年、ミラージュやランサーに搭載されたテンロクエンジン4G92に「MIVEC(マイベック)」なる可変リフト機構が与えられた。
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当初、最高出力160馬力で登場したホンダのVTECは、1991年にデビューしたシビックにおいて170馬力までアップしていたが、三菱MIVECはそれを超える175馬力を実現。ジムカーナやダートトライアルといったナンバー付き車両で争われるモータースポーツでもシビックとミラージュはガチンコのライバルとして切磋琢磨していった。
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その後、シビックは1997年に「タイプR」を登場させる。その心臓部となったB16Bエンジンの最高出力は185馬力に達し、テンロクエンジンの究極形といわれた。
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そこに待ったをかけるべく登場したのが日産のSR16VEエンジンだ。パルサーやサニーに搭載された、このテンロクエンジンには「NEO VVL」という可変リフト機構が備わり、スタンダード仕様は175馬力を発生。
さらにVZ-R・N1という限定300台のハイパフォーマンスグレードでは、高圧縮化、クランクシャフト・フライホイールバランス取り、ポート研磨、燃料室研磨、吸排気マニホールド研磨などが施され、最高出力は200馬力まで高められた。
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こうした「テンロクウォーズ」を静観しているように見えたトヨタだが、、ひとクラス上の1.8リッターエンジンに「VVTL-i」という可変リフト機構を持つ2ZZ-GEエンジンを生み出している。その開発がヤマハ発動機であったことは有名だ。
このエンジンが搭載されたのはセリカやカローラだったが、のちにロータスへ供給され、エリーゼなどに積まれたことでも知られている。
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なお、NA仕様2ZZ-GEエンジンの最高出力は190馬力。それ以前から存在していたホンダの1.8リッターVTECユニットであるB18Cが200馬力を発生していたことを考えると、後出しのライバルとしては物足りない性能だったと市場は捉えていた。