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ハイブリッドのバッテリー劣化は目に見えないけど中古選びはどうする? リスクを避けるなら「認定中古車」を選ぶのが正解!

ハイブリッドのバッテリー劣化は目に見えないけど中古選びはどうする? リスクを避けるなら「認定中古車」を選ぶのが正解!

この記事をまとめると

■中古車におけるHVやEVの駆動用バッテリーの劣化度合いは個体により異なる

■新車はもちろん認定中古車でも駆動用バッテリーの保証制度を設けている場合がある

■中古でEVやHVを購入する際は認定中古車の保証制度などをチェックするのがオススメだ

中古車のHVやEVってバッテリーは大丈夫?

 中古車選びは新車を買うのと違い、1台1台の見極めが重要だ。よって、同じ車種でも、前の所有者の使い方や整備のされ方で品質が違うし、走行距離の多少によっても差が生じる。

 これらの点は、エンジン車も、近年のハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)でも同様だ。

 そのうえで、HVやEVでもっとも懸念されているのが、駆動用バッテリーの劣化ではないだろうか。HVでバッテリー劣化があれば燃費が落ち込む。EVなら、走行距離の短縮につながりかねない。

 そうした心配は、それぞれ初代のクルマが発売された当時のできごとや噂が尾を引いている可能性もある。1997年にトヨタ・プリウスが発売されて27年が経ち、2010年に日産リーフが発売されて15年が過ぎようとしている。この間に、ニッケル水素やリチウムイオンのバッテリー技術は大きく前進した。また、バッテリーを適切に管理する制御技術も、市場での使われ方を学んで向上している。

 HVのバッテリーについて、もっとも永く、また多数のHVを販売してきたトヨタの知見を聞いてみよう。

 トヨタ広報によれば、駆動用バッテリーの劣化や寿命について一概に語るのは難しいとの回答だ。理由は、加減速の繰り返しの様子や、アイドリングさせたままでの放置、あるいは長期間乗らずにいたなど、使用状況は千差万別だからだ。また、中古車の前歴を確認する難しさもある。

 以上のことは、HVに限らず前途のように中古車選び全般にいえることだ。ただ、その一助となるのが、整備記録簿が保存されているかだ。整備記録が残っていれば、整備や修理の様子のほか、走行距離の確認にも役立つ。

 それに対し、新車時の駆動用バッテリーの保証については、ほかの一般的な保証と別枠で、初度登録から5年または10万kmのどちらか早いほうとしている。こうしたクルマの保証は最低限という感覚だから、それ以上となる中古車の場合は、そろそろ劣化などが起こる可能性を視野に入れておくための、予備知識になるのではないか。

 そのうえで、トヨタやレクサスの認定中古車は、入庫してから専用診断機によるハイブリッドシステムの綿密な点検をしているとのことだ。それによって、初年度登録から10年まで、もしくは認定中古車を購入してから3年まで、走行距離では20万km以内での保証を設けているという。

 日本の平均的なクルマの利用として、年間1万kmの走行距離がひとつの目安とされており、これを基準に考えれば、10年落ち前後のHVは、まだ利用価値が残っているといえるのではないだろうか。そのためにも、クルマの知識や経験が十分でないと思う人は、認定中古車を中心にクルマ探しを進めるのが安心だろう。

 ちなみにほかのメーカーの例では、日産自動車のe-POWERやホンダのe:HEVの駆動用バッテリーの新車保証として、トヨタと同じ5年または10万kmとしている。ホンダの認定中古車の場合は、初年度登録から10年まで、走行距離無制限でハイブリッド機構(駆動用バッテリーを含む)の保証としている。

 各社とも、駆動用バッテリーの品質はほぼ同等と見ている様子だが、保証の仕方に若干の違いがある。ここも、中古車選びのひとつの要素になるかもしれない。

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