
この記事をまとめると
■最近の日本車ではタイやインドなど海外生産のモデルが日本でも販売されている
■海外生産の日本車も日本製と比べても遜色がないほど生産精度や品質が高く何ら問題がない
■販売価格が為替の影響を受けるのが海外生産車のデメリットだ
「インド製や中国製って大丈夫なの?」の声も少なくない
いまは海外の工場で生産される日本メーカーの輸入車が増えた。トヨタ・ハイラックス、日産キックス、ホンダ・アコード、三菱トライトンなどはタイ製だ。ホンダWR-V、スズキ・フロンクスなどはインドの工場で生産される。ホンダ・オデッセイは中国製を輸入している。
これらの車種を生産するタイ、インド、中国などは、以前は新興国と呼ばれ、日本へ輸入される商品は価格の安さを特徴としていた。
しかしいまは状況が変わった。先に車名を挙げたクルマは、内外装の作り、走行性能、乗り心地まで、日本製と比べて遜色はない。そのためにオデッセイは、以前は日本製でありながら、マイナーチェンジを施したタイプを中国製に切り替えることができた。
フロンクスも内外装は上質だ。装備も充実しており、ほかの日本製のコンパクトSUVと比べてもプレミアム感覚を漂わせている。
トライトンはピックアップトラックながら、エンジンは2.4リッター直列4気筒クリーンディーゼルツインターボだ。センターデフ式フルタイム4WDを搭載して、複数の走行モードも設定している。悪路走破力も抜群に高い。
その代わり価格も上昇した。中国から輸入するオデッセイはハイブリッドのe:HEVのみを搭載して480万円以上だ。トライトンで売れ筋のGSRは540万1000円に達する。フロンクスは機能や装備の割に価格を抑えたが、それでも後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットモニター、全方位モニター付きメモリーナビなどを標準装着したから、2WDが254万1000円と高めの設定だ。
各メーカーの開発者は「タイ、インド、中国といった、いわゆる新興国の生産精度は、いまでは日本と同等の水準に向上している。そのために価格も高まり、日本製か否かは、商品力にほとんど影響を与えない」という。
タイ、インド、中国などの商品は、安全装備も進化した。安全性を評価するアセアンNCAPなども実施されている。所得も高まり、商品力も向上して、日本車と同等になりつつある。最近の円安傾向は、輸入するときの障壁になるが、それでも今後は生産を合理化するために輸入される日本車が増えるだろう。