高速道路の車線規制のときの発炎筒を人が投げる時代は終わる! いま連続自動投下できる装置を搭載したクルマが採用されていた (2/2ページ)

無線コントローラーによる操作が可能に!

 そこで開発されたのが「発炎筒自動投下装置」を搭載した車両である。この装置は、作業トラックの荷台後部に設置する。そして、装置にあらかじめセットしておいた発炎筒に点火して、シューターから道路に落としていくのだ。投下の様子はモニターで確認できるから、万一うまく落とせなかった場合でもすぐに対応ができる。無線コントローラーを使用するので、助手席からも操作をすることができるのだ。

 規制が始まる場所では、誘導棒を持った人形や回転灯などで走ってくるクルマに注意を促す。車線を規制する際には、パイロンを斜めにおいて徐々に幅員を狭めていく。夜間の場合はパイロンのなかに光源を入れたり、上部にデリネーターというランプをつけたりして、規制位置が明確になるように工夫を加える。

 このパイロンに入れる光源は、発電機からリール線を引いてそこに電球をつけていたが、現在は充電池式のLEDが使用されるようになったので、設置作業がずいぶん楽になったという。

 このように、高速で走行するクルマにも規制を認識されやすいように、さまざまな仕かけがされているのだが、残念ながら規制帯への突っ込み事故は増加傾向にあるという。高速道路会社によると、2020年には704件であったものが2022年には1457件と倍増しており、その原因の9割は前方不注意だということだ。

 そこで、万一事故が起こりそうになった場合にそれを事前に察知し、被害を軽減しようというシステムが開発されつつある。規制を示す矢板などに検知端末を取り付けたり、規制エリアをカメラで監視したりして、突っ込んできた車両を確認すると同時に警報を発するシステムがそれだ。

 高速道路はメンテナンスが不可欠であるし、事故が起きれば早急に処理を行なわなければならない。すなわち、車線規制をなくすことはできないのだ。さまざまな道具やシステムが開発され、突っ込み事故を減らす努力はされているが、大切なのは高速道路の利用者であるドライバーが、自覚を持って安全運転を心がけることなのではないだろうか。


この記事の画像ギャラリー

新着情報