この記事をまとめると
■デコトラの特徴のひとつに箱絵が挙げられる
■『トラック野郎』の劇中車の箱絵も印象的だった
■デコトラに箱絵が描かれるようになった理由に迫る
映画が流行る前から存在したデコトラの箱絵
1975年から1979年にかけて公開された、大ヒット映画『トラック野郎』シリーズ。主演車両は大型箱車の「一番星号」で、相棒は中型箱車の「ジョナサン号」、そして第7作から9作にかけて出演した「三番星」は、小型の箱車をベースにしたデコトラだった。その「三番星」は実際に存在したデコトラを起用したものであったが、「一番星号」と「ジョナサン号」は映画用に製作されたもの。そのため、トラック用の24Vではなく100V用の電球などが使用されるなど、現実のデコトラとは異なる仕上がりを見せていた。
そんな3台のデコトラたちには、箱に絵が描かれていた。とくに「一番星号」は作品ごとにモチーフを変更し、新たに描きかえるほど箱絵に重きをおいていたのである。
もちろん仕事や会社などに関係のない、いわば絵画のようなものだった。そのため、デコトラには絵を描くというイメージが定着したのだが、どのようないきさつでそのような風潮が芽生えたのだろうか。
デコトラの箱絵のイメージ画像はこちら
映画『トラック野郎』の影響で、飾ったトラックが広く知れ渡ったのは周知の事実である。しかし、映画が始まる以前から、トラックを飾るという文化は存在した。映画にも「一番星号」のライバル役やエキストラとして、実際に荷物を運んで活躍していた当時のデコトラたちが数多く参加していたのである。
そんな「本物」を参考に「一番星号」と「ジョナサン号」が製作されたのだが、トラックの箱に絵を描くという手法も、映画以前に確立されていたのである。