「カレー食うな」「フロントガラスに虫がついてる」「車内にぬいぐるみなんて置くな」 職業ドライバーが本当にさらされた理不尽すぎるクレーム (2/2ページ)

トラックドライバーに理不尽なクレームをつける人もいる

 めったに自宅に帰ることがないような長距離を走るトラックドライバーたちは、トラックそのものが会社であり自分の部屋でもある。仕事中はもちろん、休憩中やプライベートな時間でさえもトラックで過ごしているのだ。そんなトラックのことを可愛がるのは自然な流れであるし、それゆえに手をかけたいと思うのも道理だろう。

 自動車が好きな人間はクルマを大切に扱う。そのぶん、事故を起こす可能性も少なくなる。それが現実であるにもかかわらず、なぜにクルマ好きを排除するような手段を講じるのだろうか。甚だ疑問であるが、そこまでしなければならない会社側にも同情してしまう節もある。なにかいわなければ気が済まないようなクレーマー気質の人たちが多くなった日本を変えるためには、遊び心を養うことが先決ではないだろうか。

 バスの運転手が、高速道路のサービスエリアでカレーを食べている。これは何気ない日常のひとコマであるのだが、じつのところはそうではない。現実にバス会社に届いた目撃者からのクレームである。一体、なにが問題だというのだろうか。これは極端な例であるが、なかには田んぼの所有者にカエルの鳴き声がうるさいというクレームが出たケースも。ここまでくれば、イチャモン以外の何物でもないだろう。

 デコトラに話を戻すが、積み下ろしの現場ではよけいな労働を強制されるにもかかわらず、些細なことでクレームが付けられることもある。車内に人形を置いていたり、キャラクターのぬいぐるみを飾っていたり。それだけでも、クレームをつける人は存在するのだ。

「フロントガラスに、虫の死骸がいくつかついている。汚いし、視界が悪いから危ない。入る前にフロントガラスを拭いてから敷地内に入ってこい」

 これは、現実に荷受け側の会社からとあるデコトラドライバーがいわれた言葉である。夏場の高速道路を走ると、当然のごとく虫が大量にぶつかってくる。乗用車よりもフロントガラスが寝ていないトラックであれば、なおさらだ。

 デコトラドライバーからすれば、もちろん好んで虫の死骸をつけているわけではない。本音をいえば、大切なデコトラに虫の死骸など一匹たりともつけたくはないのだ。だが仕事である以上、やむなく夜間の高速道路を遠路駆けてきたのである。それなのにこの発言は、とかく納得できるものではないだろう。

 自分のことを棚に上げて妙な正義感を振りまわし、中身のない綺麗ごとを述べることに生きがいを感じているようなクレーマー気質の人たちには、ぜひとも改善を要求したい。また、自分自身の周囲にそういう人がいないことを、切に願う次第である。


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