この記事をまとめると
■可動式バンパーを装着するデコトラが存在
■フロントバンパーを状況に応じて動かすことができる
■可動式バンパーの仕組みについて解説
巨大なバンパーが上下に動く!
時代とともにさまざまなものが開発され、わたしたちの暮らしはより優雅に、便利なものになってゆく。24時間営業のコンビニやスーパーマーケットなどが当たり前の時代になり、自動車の世界に限定しても24時間営業のセルフ式ガソリンスタンドが増え、高速道路の料金所がETCの普及によってスムースに通過できるようになった。文明の発達によって失われたものも多いが、それを差し引いてもいまの暮らしのほうが快適であると答える人は多いだろう。
自動車そのものの装備品にも大きな進化が生じている。ヘッドライトは、もともとレンズ及びリフレクターを組み込んだシールドビームという電球交換ができないタイプだった。それが白熱電球の普及により、電球の交換ができるハロゲンランプへと移行した。
やがてHID(ディスチャージ・キセノンとも呼ばれる)が開発され、現在では電球と比較すると1000分の1の応答速度、電球の5分の1、HIDの2分の1の消費電力、電球の10倍、HIDの5倍の長寿命であり、HIDよりローコストで光に紫外線をほとんど含まない、かつハロゲンやHIDよりも小型であるという特徴をもつLEDが主流になった。
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パワステやパワーウインドウ、集中ドアロックやリモコンキーという、いまでは欠かすことのできないような装備も、旧くは存在しなかった。MT車よりもAT車が主流となり、乗り心地や安定性も驚くほど向上した自動車の進化には、驚かされるばかりである。
もちろん、改造車の世界にも進化が見受けられる。昭和の美学だと感じることが多いデコトラの世界も同様だ。電飾関係が電球からLEDへと変わったことで夜の艶姿が多様化され、現在ではパチンコ屋顔負けの仕上がりを披露するデコトラも存在する。
そして、デコトラの飾りがより過激になった要因のひとつとして、可動式バンパーと呼ばれるものが挙げられる。これは読んで字のごとく、フロントバンパーを状況に応じて動かすというもの。
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ダンプのコボレーンシートを動かすためのモーターを流用するのが一般的だが、なかにはエアや油圧で動かすというものも存在する。それらを活用して、ステンレスや鉄などで製作された巨大で重たいフロントバンパーを上下に動かすのだ。地面との干渉を防ぐことができるようになったことでフロントバンパーのサイズを大きくすることができ、他のパーツも巨大化されたのである。
デコトラのような見せる改造や、走り屋のような速さを追求する改造。世のなかには多種多様の改造車が存在するが、そのすべてにおいて文明の利器が活用されているといっても過言ではない。もちろん自動車を改造すること自体褒められたものではないし、改造車のことを毛嫌いする人は多い。結局のところ改造車とは趣味嗜好の世界であるため、興味がない人には目障りな存在でしかない。改造車に乗る以上は周囲に迷惑をかけないように心がけ、安全運転に努めてもらいたい。そうして、遊び心の足りない日本を盛り上げてほしいと願う。