デコトラが絶滅危惧種なんて不見識にもほどがある! じつは令和は大デコトラ時代だった (2/2ページ)

デコトラのイベントの数は増えている

 荷物を積むためのボディ(荷台)をオーダーメイドで製作したり、燃料タンクやバッテリーケースなどの目立たない部分を架装したり、純正パーツにメッキをかけてみたり。それだけであれば、荷主や一般の人たちからはデコトラだと認識されないかもしれない。仮に改造車であることに気付いていたとしても、荷主や顧客は傷だらけでメンテナンスもされていないような汚いトラックよりも、手入れが行き届いた美しいトラックを歓迎するに違いない。そして、愛好家たちの間ではむしろそのような仕様のデコトラが人気を博しているのである。

 時代は、変わる。デコトラの世界でも同様に、派手さから美しさへと方向性が変わっている。昭和の時代では飾りのスタイルに大差はなかったが、近年ではド派手なデコトラやシンプルなデコトラ、そしてクラシカルなデコトラなどが存在しているため、デコトラ界では一種の派閥さえできている。

 そんなデコトラたちが集まるイベントは毎月のように全国各地で開催されているのだが、そのイベントの数がもっとも多いのは昭和でも平成でもなく、令和である。そして、昭和の時代では100台も集まれば大盛況だったのだが、近年における大きなイベントでは500台以上ものデコトラが集まっている。その事実を踏まえても、デコトラの数そのものは明らかに増えているのである。

 YoutubeやSNSなどでデコトラが減ったと訳知り顔で語る人もいるようだが、そういう人たちはデコトラのことをなにもわかっていない。むしろ、減ったと思わせているのは「素人を刺激しないようにシンプルに飾る」というデコトラ愛好家たちの思惑どおりなのだから、大成功だといえるだろう。そうして姿を変えながら生き続けている日本独自のデコトラ文化は、これからも絶えることなく続いてゆくだろう。


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