トラックドライバーの負担軽減に寄与
近年、これらの車両ナンバー認証システムが物流業界で熱い視線を浴びている。その理由は、物流倉庫のトラック入場管理に有効であるからだ。2024年問題で浮き彫りになったトラックドライバーの労働環境改善課題のなかで、早急な解決を必要とするのが、物流倉庫の入退場管理である。なぜならば、入場時間の指定やそれに伴う待機が、トラックドライバーに大きな負担を強いているからだ。
これまで、物流倉庫ではトラックに対して着荷、出荷の時間を指定するものの、駐車場、トラックバースの使用状況を効率的に管理していなかったために、トラックの待機時間が長くなる傾向があった。これが、トラックドライバーにとって大きな負担となっており、実走行時間が削られて2024年問題の深刻度を増す一因になっていたのだ。
そこで、車両ナンバー認証システムとバース予約システムを連動させ、着荷、出荷の最適化を図る仕組みが開発されたのである。まず、物流倉庫に入るトラックのナンバーを事前登録しておく。これが管理のデータベースになる。このトラックが着出荷で倉庫に来るときには、バース予約システムで事前に入場予約をする。来場の際には、この予約をもとに車両ナンバー認証システムでゲート操作が自動で行われるのだ。
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入場するとき、システムから待機場所に誘導される。同時にバース予約システムに入場が記録され、倉庫側の荷受け、荷降ろし準備が整うと、さらにトラックバースに誘導される。着出荷が終了すると退場処理がされるので、トラックは自動的に開いたゲートをくぐって出発していくのである。
このシステムは、荷待ち・荷役作業時間を把握することで、これらの時間を2時間以内に抑えられるように、トラックの入場から退場までの流れや物流作業の最適化を図ろうというものだ。複雑なトラックの来場予約・駐車場やバースへの誘導・ゲートの開閉などの作業をシステム化し、物流倉庫の人員削減にも貢献が期待できる。こういったシステムが普及することで、現場の負担が軽くなることが望まれる。