これでベース車わかる人いる? カスタムするにも程がある「BEAST」がファンタジーすぎて笑う (2/2ページ)

車検を通して公道を走ることもできる

 クルマの印象を決める顔つきも大胆な造形でまとめられています。フェンダーアーチを受けるように縦に配置されたヘッドライトユニットと、左右に分割されたグリル部分に装着されたプロジェクターライトの構成は独創的です。個人的には武者の甲冑の兜と面具のように感じられました。ノーズ部分には「バリュープログレス」の「VALUE」の文字を組み合わせたエンブレムが装着されています。

 全体の迫力を増すために、ボディのシェイプは後ろに行くに従って広くなるようにつくられました。そのため、全幅はベースのディアブロより360mmも広い2400mmとなっています。

 長いステーをもつサイドミラーは、その幅でも後方視界を確保できる寸法になっています。ベースはヤリス用で、可倒式となっているそうです。

 リヤホイールのサイズはなんと14Jで、じつに360mmも幅があります。特筆すべきはこのオフセット量で、市販品にこれだけ深い設定はなかったので特注したそうです。

 ルーフから巨大なリヤウイングに繋がるセンターセクションは、F1のレッドブル「RB6」を思わせる構成で、この上面にもくさび形があしらわれています。

 そしてリヤにまわると、フロントからの印象をさらに上まわるインパクトに圧倒されます。何よりまず目に留まるのが、ど真んなかのウイングステーに挟まれた部分に顔を出す4つのマフラーエンドでしょう。バックファイヤの炎をなびかせながら走るロケットのような姿を想像してしまいます。

 テールランプは汎用の丸形を使いながら、広大な車幅を活かして片側に四連で装着。「既存の車種のユニットを使うとそのイメージに引っ張られるから」ということで、オリジナルデザインにこだわった手法です。その下のディフューザー部分も独特のデザインが目を引きます。細かい横のルーバー状の部分に、縦のパネルが整然と連なっている姿は他に類を見ない雰囲気を放っています。

 まだまだ紹介しきれないほどの密度でつくられたこの「BEAST」は、とにかく存在感という点で他を圧倒していました。

 しかし、企画からデザイン製作までをおこなった白岩さんの自己採点は「まだ70点というところでしょうか」と辛口の評価でした。それというのも、目指すところは国産のカスタムカーの頂点なので、ベース車両の存在がだいぶ残っているという点で「100点にはまだまだ及ばない」のだそうです。

 じつはいまの時点でこのクラスのカスタムカーを製作するためのベース車両が数台ストックされているそうで、すでに以前から温めていたデザイン案が4パターンあり、この「BEAST」の利益次第で次の車両に取りかかれるとのことです。100点の車輌がお目見えするのもそう遠くはないでしょう。そのときが楽しみです。

 というわけで、この「BEAST」は販売可能とのこと。白岩モーター商会では車検の業務もおこなっているので、すべての部分で車検を通せるように作られているそうなので、すぐにでも公道走行が可能です。


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