慣らし段階から「踏みたい欲」が抑えきれない! メガーヌR.S.ウルティムが編集部にやってきた!! (2/2ページ)

全世界で1976台しかない貴重な限定車

 このウルティム、外装の黒いデカールをよく見ると、同じく黒でわかりにくいのだが、1976という数字が描かれている。さらに前述したシリアルプレートも「●●●●/1976」という数字が彫り込まれているのだ。この1976はルノー・スポールが始まった年を表していて、それがそのままウルティムの限定生産台数となっている。いま編集部にある1台も1566/1976というプレートが掲げられていて、全世界で1976台しかないウルティムのうちの1台という稀少なクルマなのだ。

ルノー・メガーヌR.S.ウルティムのシリアルプレート

 エンジンは1.8リッター直4ターボで、300馬力を発生。トランスミッションは、ゲトラグ製2クラッチ2ペダルMTの6速EDCと、6速MTが設定されていて、このスタッフカーはEDCモデルだ。エンジントルクはEDCモデルが420Nm、MTモデルが400Nmと数値が異なっている。

ルノー・メガーヌR.S.ウルティムのエンジン

 そして特徴的な装備として、4コントロールと呼ばれる、4WSを備えている。いま、スーパースポーツなどの世界で4WSを備えるクルマが増えてきているが、このクラスでコストのかかる4WSを装備しているのはなかなかに贅沢だ。この装備、低速域ではフロントの操舵と逆にリヤが切れ、小回りが利く。狭い道やUターンなどでは、車体の大きさからは想像もつかないほど小さく曲がれる。そして高速になると、フロントとリヤのタイヤが同じ方向に切れるため、極端な表現をすれば4WSがないクルマに比べて、平行移動するような挙動で車線変更などを行える。簡単にいえば高速域でハンドルを切ったときは安定性の高い挙動になるのだ。

ルノー・メガーヌR.S.ウルティムの4コントロールのエンブレム

 さらにメガーヌR.S.にはドライブモードがあり、これで「レース」をセレクトするとなんと約100km/hまでリヤが逆位相に操舵される。これは安定性よりも旋回性能を重視した設定で、じつはこの個体ではなく別のウルティムで一度サーキットを走ったことがあるのだが、ほかのFF車の感覚で100km/hを少し下まわる速度の第一コーナーに飛び込んだ瞬間、結構なオーバーステアが発生して、大カウンターを当てることになった。その後、走りをアジャストしていくと、ニュートラルステアに近い感覚でとにかくよく曲がる。ある意味4コントロールの「効果」が思いっきり味わえた体験だった。

ルノー・メガーヌR.S.ウルティムの走行シーン

 さて、そんなウルティムが編集部にやってきて、エンジン、トランスミッション、バネ&ダンパー、タイヤ、ブレーキとじっくり慣らし中。回転を押さえつつじっくりと走り込んでいるのだが、乗り込む前の外観、座ったコクピットの景色、エンジンを始動したときの「音」が、踏みたい欲を刺激して乗り込むたびにウズウズとさせる。そんな折り、ユイレーシングスクールという、ドライビングレッスンへの参加招待をいただいた。クローズドでアクセルもブレーキも思いっきり踏み込めるチャンスである。改めてウルティムの走りをリポートするので、その際はまた、お付き合いをいただければと思う。

ルノー・メガーヌR.S.ウルティムの諸元表


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