オジサンには懐かしく若者には斬新に映る! ジムニーノマドの大成功はいまのクルマ業界の「温故知新」の流れをしっかり反映していた (2/2ページ)

オジさん世代には懐かしくも若者世代には斬新

 今回のジムニーノマドの騒動を見ていると、どこかジープ・ラングラーと似ている様子をジムニーノマドからも感じることができる。いまでこそ2リッター直4ターボエンジンを搭載しているものの(ダウンサイズが進んだ)、ラングラーは三菱トライトンと同じようなサイズ。ただ、このラングラーが日本では安定した人気を維持しているというのである。しかも、排気量がいまよりも大きかった先代から高い人気となり、それが現行型でも続き、そのなかで若い世代が好んで乗っているというのである。

 少し前にディーラーで聞いたところでは、中古車人気も抜群に高いので、残価設定ローンにおける設定残価率が高いこともあり、廉価グレードとなる「アンリミテッド・スポーツ」でも799万円もするのだが、ローンプラン次第では若年層でも無理なく乗ることができるというのである。

 なぜ若年層の人気が目立つのかについては、筆者のようなオジさん世代には「懐かしい」とか、「古めかしい」と感じるジープ然としたそのスタイルが若年層から見れば斬新で、「ほかにない」と感じていることが大きいようである。

 ジムニーもまさにその唯一無二のキャラクターの象徴がその武骨なスタイルといっていいだろう。もちろんジムニーもラングラーもそのタフな走行性能を支えるメカニズムもなかなか他車にはないのだが、若い世代から見れば、そのスタイルの斬新さに惚れ込むようなのである。

 こうなると、バブル期あたりに日産が盛んにラインアップしていた、懐古イメージのある「パイクカー」を復活させてもいいのかもしれない。事実、フィガロの中古車では程度のいいものを中心に広く海外へ輸出されている。

 また、ルノーなど欧州ブランドでは最近過去モデルの復刻版のようなBEV(バッテリー電気自動車)をラインアップしているし、シトロエン2CVも同じようにBEVで復活するとの情報が流れている。アメリカではいまは下火になっているものの、フォード・マスタングやダッジ・チャレンジャーが懐古スタイルでいまもラインアップされている。

 ジムニーやラングラーは本物志向というところも好まれているが、「若者のクルマ離れ」とさんざんいわれてきたが、彼らの感性を刺激するには歴史を振り返ることで、そのなかからヒントを見出すことができるのかもしれない。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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