レギュレーションの模索を繰り返し現在はGT3規定に
また、DTMは日本発の国際シリーズ、スーパーGTのGT500クラスとレギュレーションの統一化が実施され、両シリーズともにクラス1規定を採用。2017年のDTM最終戦・ホッケンハイムでGT500車両、スーパーGT最終戦・もてぎでDTM車両のデモ走行が行われたほか、2019年のDTM最終戦のホッケンハイムに3メーカーのGT500車両が参戦している。
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さらに、同年末には富士スピードウェイを舞台にGT500車両とDTM車両の交流戦が実施されるなど、ドイツと日本の人気レースがコラボレーションしたのだが、アストンマーティンの有力チームとして2019年に参戦を開始したスイスのチームがわずか1年で活動を休止したほか、アウディも新型コロナウィルスが蔓延した2020年を最後にDTMから撤退することになったのである。
この相次ぐ主力チームの撤退が影響したのだろう。DTMは自動車メーカーに頼らず、数多くのチームが既成モデルで活動できるようにすべく、2021年よりクラス1規定を廃止してGT3規定を採用した。
これにより、新生DTMはメルセデスやポルシェに加えてランボルギーニ、マクラーレン、フォードなど、車種ラインアップが多彩となったほか、メルセデスやポルシェ、フェラーリなど自動車メーカーのサポートを受けるサテライトチームに加えて、元F1ドライバーやWECで活躍するトップドライバーが参戦するなど、再び活況を見せるようになったのである。
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ちなみに、このGT3車両によるDTMに加えて、2021年よりGT4車両を対象にしたDTMトロフィや旧型車を対象にしたDTMクラシック、さらにEスポーツのDTM Eスポーツなど、さまざまなレースシリーズを運営していることも興味深い。
このように1984年にスタートしたDTMは時代に合わせて大きな改革を実施。現在はオリジナルマシンによるレース運営こそ行われていないが、常に新しいチャレンジを行っているだけに、オランダとオーストリアを含めて、全8大会で争われる41年目の2025年も激しいバトルが展開されるに違いない。