よく考えたら「V」ばっかり! 「ヴァルハラ」「ヴァンテージ」「ヴァルキリー」とアストンマーティンの車名がみんなVから始まるワケ (2/2ページ)

その後も「V」を冠するモデルが多数

 次にアストンマーティンが、「V」を頭文字とするニューモデルを発表したのは1988年。翌1989年からデリバリーを開始した「ヴィラージュ」がそれで、これは「コーナー」や「旋回」といった意味をもつ。ただし、アストンマーティンがヴィラージュの車名を使用した期間は短く、1996年にはそれをV8に変更。2011年にはV型12気筒エンジンを搭載するモデルでその名前を復活させている。また、2013年にはDB9のビッグマイナーチェンジ版が登場したことで、再びヴィラージュの名は消滅している。

 その後もアストンマーティンからはさまざまな「V」を車名の先頭に掲げるモデルが誕生した。2015年に24台のみが限定生産されたサーキット専用車の「ヴァルカン」(ローマ神話に登場する火の神であり、またイギリス空軍の爆撃機の名称でもある)。そのデザイン・コンセプトやメカニズムをさらに進化させた、ワンオフモデルの「ヴィクター」(勝者)、そしてアストンマーティン初のミッドエンジンPHEVスーパーカーで999台が限定生産される、「ヴァルハラ」(北欧神話における主神・オーディンの宮殿)など、彼らが車名には大きなこだわりを持っていることは明確だ。

 なぜアストンマーティンはVの頭文字にこだわるのか。それはやはり「V=Victory」という意識が常にそのクルマ作りの根底にあるからではないだろうか。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

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