作動するからと一般道で使うのは基本NG! 超便利なACCだけど「頼りきって」事故っても責任はドライバーにある!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■先進安全機能としてACCが広く普及している

■ACCは自動運転機能ではなく運転支援機能なので事故を起こす可能性もある

■高速道路や自動車専用道路での使用を想定しているためACCの一般道での使用は危険だ

ACCは自動運転ではない

 最近のクルマには衝突被害軽減ブレーキや定速走行・車間距離制動制御、追従機能、レーンキープ機能が付くACC(アダプティブクルーズコントロール)などの運転支援機能が付いている。なかには高度なカーブ、料金所手前速度抑制機能から、一定の速度でハンズオフ(手放し運転)ドライブさえ可能な車種もあるほどだ。それはそれで快適で運転ストレスを低減してくれる機能といえるのだが、過信は禁物だ。

 たとえば一般的な(ハンズオフドライブ機能なし)ACCを作動させ、運転しているときに「警告が出るまでちょっとならハンドルから手を放してもいいんじゃね」とか、「ACCは一般道でも作動するから使えるよね」とか、「ACCが作動しているから短時間のよそ見運転はOKだよね」なんていう誤解をしている人もいるかも知れない。が、それらは全部NG、やってはいけないことなのである。

 そもそも、現在の運転支援機能は、あくまでドライバーの運転を支援する機能にすぎず、運転操作の主体はドライバーであるということ。ACCにしても、カーブや料金所手前の速度抑制機能にしても、ドライバーが絶えず前方・周囲の状況を確認しつつ安全運転を行うことを前提としたもので、特定の条件下でシステムが運転制御を代替えする自動運転システムでは決してないのである。

 国土交通省や自動車メーカーの注意喚起でも、「運転支援システムには機能の限界があり、故障していない場合でも、使用する環境や条件によっては、作動しない、または使用中に突然機能が停止することがある」と説明とされていて、ここがとくに重要なのだが、「その結果、衝突事故などを起こした場合でも、責任は運転者にある」ということ。

 たとえば、運転支援システムが作動・機能しない(しにくくなる)状況の例として、クルマの急な割り込み、車線の白線が見えない場合、雨、雪、霧などの悪天候下がある。つまり、運転支援システムは、車両に搭載されたカメラやレーダーなどで周囲を監視して制御を行うわけで、カメラなどが適切に作動しない悪条件下では、システムが周囲の状況を正しく認識できず、制御を行うことが困難になり、また、機能が突然、停止することもありうるのである。

 高速道路でACCを使い、ペダル操作から解放された運転をしているときでも、ドライバーが絶えず前方・周囲の状況を確認しつつ安全運転を行うことが前提であり、スマホの操作などもってのほかで、ナビ画面の注視もNG。道路交通法違反になってしまうから注意したい。高度な運転支援システム搭載車に、ドライバーを終始カメラでモニタリングし、前方を向いていないと警告が発せられる(そのままだと機能停止に至る)のは、そのためでもある。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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