日産に作ってほしいのはこういうクルマよ! 新たなジャンルでバカ売れした「初代キューブ」の偉大なる足跡 (2/2ページ)

改良を重ね2代目以降も人気モデルに

 1999年4月には、オーテックジャパンによる特別仕様車「プレミアム」が加わった。エクステリアではライトゴールド色をあしらい、なんと本革シートを採用していたのが特徴だ。

 しかし、早くも1999年11月にマーチと揃ってマイナーチェンジ。エンジンは前モデルより74cc拡大した1348ccとなるCGA3DE型に換装。CVTはクリープ機能をもつハイパーCVTへと進化している。ステアマチック完備のハイパーCVT-M6が加わったのもこのタイミングである。

 2000年9月のマイナーチェンジでは、エクステリアデザイン、ヘッドライトが手直しされ、後席にスライド機構を追加するなどの改良が行われている。翌2001年には国産コンパクトカーにしてハイオクガソリン指定の101馬力エンジンを搭載するαシリーズを追加。コールマンバージョンも登場させるなど、まさに販売好調のイケイケ状態だったのである。

 そして、初代の役割を終えたキューブは2002年、初代のコンセプトと人気を引き継ぎながらさらにキュービックなデザインを纏い、「Cube MY room」をキャッチコピーとした2代目へとバトンタッチ。

 もちろん、最初から5人乗りであったのだが、当時のミニバンブームに乗った3列シートモデルのキューブ・キュービックを名乗る3列シートモデルも2003年9月に登場している。

 キュービックではホイールベースを2600mmに延長しているが、さすがに3列目席は緊急席そのものだった。なにしろ身長172cmの筆者が座ると、シート幅980mm、頭上に120mmはともかく、膝まわりスペースは0mm以下。そして、ラゲッジスペースは奥行き165mmという狭さだった。それでもコンパクトな3列シートモデルはミニバンブームの最中、欠かせない企画だったようだ。

 それはともかく、初代キューブは時代を先駆けたコンパクトハイトワゴン、コンパクトユーティリティカーとして、いま思い返しても画期的なクルマだったといっていい。ただし、いま乗ってもおかしくない、いや、まったく古さを感じさせず、目立って乗れるキューブは2代目になるかもしれないが……。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

新着情報