「クロネコの背高バン」がひっそり販売終了! ヤマト専用車だった「トヨタ・クイックデリバリー」はいま別の角度から熱視線を浴びていた!!

この記事をまとめると

■トヨタの商用バン「クイックデリバリー」はヤマト運輸の専用車両として開発された

■一般発売をスタートするとキャンピングカーや移動販売車のベースとして人気になった

■2016年に販売終了したいまなおリメイク車両が販売されている

荷物を車内で整理できるように設計された宅配専用車

 箱型のスタイルが印象的なトヨタのビジネスバンであるクイックデリバリー。この車両は車名のごとくクイック(迅速)にデリバリー(配達)をするために生まれたものだ。

 というのもこのクイックデリバリーは、クロネコヤマトで知られるヤマト運輸が快適かつ高効率な配送を実現するために開発を依頼して誕生した車両だったのである。

 ヤマト運輸の希望は、「車内での作業時に腰を屈める必要のないもの」で、中腰状態で荷物の仕分けなどをして腰を痛めたりしないようにという配慮がなされており、それ以外ではウォークスルータイプとすることで、いちいち運転席から降りて荷台にまわることなく、運転席からすぐに荷室にアクセスできるようにもなっていた。

 そのため、全高は2.5mほどとかなり高めで、なんとなくユーモラスなスタイルとなっていたのだが、働くクルマということで、ベースとなっているのは1~2トンクラスのトラックで、低床かつフラットな床を実現するためにジャストローのシャシーが使用されていた。

 当初はヤマト運輸との共同開発で生まれたモデルということもあって、クロネコヤマト専用車として供給されていたが、のちに一般発売をスタートすると、運送会社だけでなく花屋やクリーニング店、アパレル関係といった他業種のほか、キャンピングカーや移動販売車のベースとしても選ばれることが増えていったのである。

 そんなクイックデリバリーであったが、積載力がそこまで高くない割にコンパクトでもないクイックデリバリーは使いにくいケースが増えるようになった。また、配送方法についても拠点まで大型トラックで一気に配送し、そこからは小型トラックや軽商用車で配送先へ向かうというのが主流となった。

 そのためクイックデリバリーは2016年にヒッソリと販売終了となってしまったのだが、現在はその立って移動ができるウォークスルーバンという特徴を生かして、移動販売車やキャンピングカーとして第2のクルマ人生を歩む個体が増えており、中古車情報サイトなどではリメイクがなされた個体を見ることができる。

 もともとトラックがベースとなっていることから、耐久性は折り紙つきのクイックデリバリー。もしかしたら配送業とは違うところで再び脚光を浴びることになるかもしれない。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
趣味
長距離ドライブ
好きな有名人
ザ・リーサルウェポンズ

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