この記事をまとめると
■北海道にあるホンダのテストコースで雪上試乗会が開催された
■市販前のプレリュードと次期型e:HEV 4WDモデルに試乗
■前後モーター駆動のe:HEV 4WDはじつにコントローラブル
プレリュードのS+シフトはまるで有段ギヤのような楽しさ
2024年12月に次期ホンダ車のワークショップが開催されたが、今回はその一部のモデルを北海道の鷹栖プルービング・グラウンドでテスト・ドライブすることができた。今年の旭川は例年とは異なり、雪が少ない日が続いたが、我々が取材した日は前日に雪が降ってくれたおかげで、最高のコンディションでテストできた。
まずテストしたのが新型プレリュードだ。フェラーリのように真紅に塗られたボディは白銀の世界にひときわ美しく、つい見とれてしまうではないか。私はリヤからのデザインがとてもセクシーで気に入っているが、フロントは最近のデザイン・トレンドを踏襲し、たとえばフェラーリ・プロサングエやクラウンのフロントフェイスに似ている。それには理由があり、歩行者保護の規制やヘッドライトのモジュール化などでデザインが似てくるのは古今東西のアルアルなのだろう。
![新型プレリュードのリヤスタイリング](https://cdn-webcartop.com/wp-content/uploads/2025/02/honda_winter_020920250015.jpg)
さて、プレリュードの技術的なハイライトはふたつある。まずはパワートレイン。排気量は従来から使われている2リッター4気筒に変更はないが、ホンダ独自の「e:HEV」は通常走行ではシリーズハイブリッドとして機能する。「燃費はよいがドライバビリティが足りない」というクルマ好きの声もあり、プレリュードにはハイブリッドでも五感を刺激する楽しい走りと意のままに操縦できる走りを狙って開発された。そのため「S+シフト」を開発し、まるで有段ギヤがあるかのようなドライブフィールが楽しめるのだ。
![新型プレリュードのフロントスタイリング](https://cdn-webcartop.com/wp-content/uploads/2025/02/honda_winter_020920250014.jpg)
もうひとつのハイライトはフロント・サスペンション。ここにはシビックタイプRゆずりの「デュアルアクシス・ストラット・サスペンション」を採用したことで、FFのネガとなる操舵フィールを改善することが可能となった。トルクステアがないぶん、まるでFRのように自然なステアリングフィールが得られるのは嬉しい。
早速雪上ワインディングでテストする。横滑り防止装置VSA(ESC)は基本的にはカットオフできないが、ドライブモードは「SPORT」にセット。タイヤはスタッドレスタイヤを履くが、圧雪は走りやすいもののアイスバーンでは極端に滑るので路面を読むことが重要だ。
![新型プレリュードの横から見た雪上走行シーン](https://cdn-webcartop.com/wp-content/uploads/2025/02/honda_winter_021120250003.jpg)
嬉しいことにフロント・タイヤのグリップ感(あくまでもフィール)が良好なのでストレスはない。また「S+シフト」はトップスピードからブレーキングすると自動的にギヤダウンし(ギヤはないが)、エンジン回転が高まる。その結果、発電効率も高まり、再びスロットルを踏んだときのレスポンスが改善している。「S+シフト」が装備されていない「e:HEV」の場合、スロットルオフからオンにすると少しの間があったのが、そこが改善されていた。
![新型プレリュードのフロントから見た雪上走行シーン](https://cdn-webcartop.com/wp-content/uploads/2025/02/honda_winter_021120250016.jpg)
FFなので豪快なドリフト走行もできないし、電気式パーキングなのでサイドブレーキ・ターンもできない。だが、手も足もでないわけではない。ラリーで磨いてきたフェイントターンと左足ブレーキを駆使することで、ターンインでリヤを流してコーナーに飛び込むことができる。勇気もいるが中途半端な操作ならやらないほうがいい。デュアルアクシス・サスの効果もあり、フロントタイヤのグリップは高く、アンダーステアは少なかった。ブレーキングではABSのペダル振動を感じるが、この振動はタイヤと路面の限界を知らせる重要なインフォメーションなのだ。
![新型プレリュードのリヤから見た雪上走行シーン](https://cdn-webcartop.com/wp-content/uploads/2025/02/honda_winter_021120250002.jpg)
ヒヤッとする場面もなく、ドライバーの意のままに操縦できた。プレリュードはアドレナリンが湧き出るようなドライビング・プレジャーではないものの、爽快な気分にさせてくれる走りは感動した。しかし、私はまだこのプレリュードの走りに満足はできない。その理由はあとで述べることにする。