電子パーキングブレーキなのに「手引きレバー」がある! フォード・マスタングが「ドリフトのためだけ」に開発したブレーキに拍手!! (2/2ページ)

ドリフトのプロが開発に全面協力

 なお、フォードのワークスチームとしてアメリカのフォーミュラ・ドリフトに参戦しているRTRですが、ドライバーはチーフ・エクゼクティブを務めるヴォーン・ギッティンJr.その人。彼が乗る競技車両はおよそ1300馬力ほどにチューンアップされているものの、開発中のドリフトブレーキはなんら問題なく機能したとのこと。

 ギッティンJr.によれば、「従来のサイドブレーキに比べ利き方がリニアであるだけでなく、電子的に制動力や引きしろを設定できるためコースに合わせたセッティングなどきめ細かなコントロールが実現した」とのインプレッション。

 もっとも、彼の開発ムービーではいともたやすくドリフトしているので、ドリフトブレーキの参考にはならないかもしれません(笑)。

 また、フォードによれば「初心者は電子ドリフトブレーキを使用してドリフトを学び、あとでシステム設定を変更してサーキットでの競技で使用することができる」としています。たしかに、ドリフトブレーキは長いレバーではなく、ジョイスティックとかガングリップのような形状で、ゲーム世代への馴染みも良さそうです。

 これが普及するようなことがあれば「リリースボタンを押しながらレバーを引く」といった動作はアナクロ扱いされることも避けられないでしょう。サイドブレーキを使ったターンとか、ややもすればヒール&トゥなんてテクニックまで時代遅れといわれてしまいそう(笑)。

 ドリフト好きには朗報に違いありませんが、旧型世代にとってはまたしても微妙なニュースかもしれませんね。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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