クルマ製造のリサイクルはここまできてる! 廃棄エアバッグ素材のバッグにシート地の端材で作ったパスケースなど100%使い切りの取り組みがスゴイ (2/2ページ)

エアバッグの素材は撥水性や汚れにも強い

 次に、「ノイ・インテレッセ」などのブランドを手がけるアパレルメーカー、株式会社モルフォでは、ステアリングやシフトノブに採用されている、イタリア・キオリーノ社製のカーボンハイブリッドレザーを使った「Nachat(ナハト)」シリーズや、そこに撥水性や耐久性を加えた「Schatten(シャッテン)」シリーズ、クルマのシート用として国内でなめされたエンジニアリングレザーが使われるノイ・インテレッセのハイエンドラインとなる「Indigenous N(インディジェナス・エヌ)」があります。

 特殊なウレタンコーティングと仕上げ方法で過酷な状況下での耐久性を満たしつつ、柔らかく心地よい肌触りも実現していおり、クルマ好きからの支持が厚いブランドなのですが、こちらにも端材や廃棄されるはずの素材を活用したアイテムがありました。

 それが、ひと目見ただけでオシャレで上質でしっかりとした製品だとわかるバッグで、じつは廃棄されたエアバッグを使った製品だったのです。

 また、タイヤのゴム層のなかに織り込まれ、タイヤが受ける衝撃や荷重、充電空気圧に耐える役割を持つという超強力ナイロン系を使用したバッグもありました。もともとバッグ用に開発された素材ではないため、製品化には高い技術が必要とのことですが、その代わり撥水性も高く、汚れや衝撃にも強いということで、ゲリラ豪雨なども多い近年ではビジネスシーンでも重宝されているそうです。

 こうして、クルマになれなかった素材たちや、クルマとしての役割を終えた素材たちが、再び生まれ変わって世のなかに出てくれるというのは、いつまでもクルマに乗り続けるためにも大切な取り組みではないでしょうか。ぜひ100%使い切りを目指して欲しいですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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