スバルならではの独創性あふれる1台
スバルも、プレオというハイトワゴンを売り出した。他車が直列3気筒エンジンであるのに対し、直列4気筒エンジンをあえて搭載し、より上級な軽ハイトワゴンとして打って出た。だが、ワゴンRやダイハツ・ムーヴほどの人気は得られなかった。そこに登場するのが、R2である。
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R2は、通常の軽乗用車でありながら、外観の造形と、室内の広さや使い勝手ではなく、あえて特別な1台としてのスペシャルティカー的な商品性を特徴とした。
四角く角張った外観ではなく、絞り込まれた造形に加え、フロントグリルには中島飛行機を祖とする系譜を喚起するように、左右に翼が広がるような意匠を与え、スバルらしさを強調した。
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エンジンは、プレオで採用した直列4気筒を積み、より上級で、走りの壮快さを打ち出していた。多人数や家族で乗るより、ひとりで出掛けることの多い人に、独創的な軽乗用として誇りをもてる1台であることを目指していた。
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2年後に登場するR1は、その方向性をより際立たせた車種で、2ドアハッチバックとし、個人利用の姿をいっそう強めた。内装も、赤と黒のツートーンで、一般に軽自動車が無難なグレーや黒など一色の内装であるのに対し、私用で使うクルマという位置づけを、乗車しているときに実感できるようにした。
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また、電気自動車(EV)時代へ向け試作車となるR1eを製作し、走行実証を行っている。国内最小の軽自動車で、個人が、環境を意識してEVをひとりで利用するという、時代の到来を見極める試験車両であり、その運転感覚は、モーター走行の喜びを伝える仕立てだった。
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この経験が、2009年のプラグイン・ステラというEV発売につながる。これは、三菱i‐MiEVと同時代のことだ。その後、2005年にトヨタとの業務提携に合意したスバルは、自社での軽自動車開発を止め、ダイハツの車種を活用しての販売に移行する。
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R1やR2は、自社開発によるスバルの軽の最後を飾る車種であった。