この記事をまとめると
■1992年から設置されてきた二段停止線は近年廃止する傾向にある
■線があることでバイクのすり抜け行為の助長をするという懸念が出ている
■バイクのすり抜け行為自体は違反という条文がないので取り締まりの対象外になっている
いわれてみれば最近見かけない気が……?
二輪の停止線を四輪の停止線より前にする「二段停止線」。1980年代後半のバイクブームに伴い、二輪車の事故が急増したことを受け、四輪の死角に入りやすい二輪を四輪よりも前に停車させることで、トラックなど四輪による二輪車の巻き込み事故等を防止することを目的に1992年から二段停止線を設置できるようになった。
その後、全国各地の交通量が多い交差点でこの二段停止線の設置が進んだわけだが、近年では逆に二段停止線を廃止にする都道府県が増えている。
47都道府県のうち、すでに東京都や北海道、神奈川県などで全廃となり、福井県も昨年(2024年)すべてを廃止。石川県でも全廃が決まっており、残っているのは全国で半分の府県というのが実情だ。
二段階停止線が徐々に廃止されてきたのは、この二段停止線があることで、バイクのすり抜けを助長し、事故のリスクがかえって増えてしまったことと、バイクの保有台数が減少傾向にあることが主な理由。
車列をすり抜けて通行しているバイクの後ろ姿画像はこちら
バイクのすり抜けについては、直接的に規制している条文が見つからず、少なくとも停止しているクルマの脇を、バイクが通り抜けても追い越し違反にはならないし、進路変更をせずに前方車両の前へと出ることも基本的に取り締まりの対象外(交差点や踏切、横断歩道などのなかとその手前30m以内は、追い抜き禁止)。
バイクが車列をすり抜けている様子画像はこちら
実際にバイクに乗っていた筆者からすると、機動性の高いバイクは、クルマとクルマの間に挟まれて走ったり、停車したりするより、交差点で二段階停止線エリアまで進んでもらって、青信号と同時にスーッと前に進んでくれたほうが、クルマにとってもバイクにとってもより安全で、スムースだと思うのだが、いかがなものだろう。
複数の原付が先頭で信号待ちをしている様子画像はこちら
ルールの変更は大変だが、いろいろ試してみて、ダメなら戻す、と柔軟に運用していくのが1番ベストだと思われる。