
この記事をまとめると
■日本全国平均のレギュラーガソリン価格は2025年2月だと180円近い価格だ
■高騰の背景にあるのは為替の円安傾向が続いていることも影響している
■暫定税率がいつまでも掛かっていることも問題だ
ガソリン価格はなぜ高値止まり?
全国のガソリン価格の平均は、1リッターあたりレギュラーで175.7円となっている(2025年2月3日現在)。これは、今年2月5日までとされる補助金20.5円が有効な状況での値段だ。それでも価格は地域によって差があり、たとえば都内では185円と表示されたガソリンスタンドもある(2月1日に目撃)。
ガソリン価格への補助金は、コロナ禍への対処の続きで、総合経済対策の一環だ。期間中、ガソリン価格が1リッターあたり170円以上となった際に、1リットル当たり5円を上限に元売りへ補助する仕組みとなっている。
コロナ禍により外出の機会が減った4年前の冬には165円ほどであったので、現在は10円も高い水準となっている。この先、1リットル当たり5円を上限とする補助金がなくなれば、180円以上は覚悟しなければならないのではないか。
ガソリン価格高騰の背景にあるのは、為替の円安傾向が続いていることも影響しているだろう。
たとえば、4年前の2021年の冬の円とドルの為替相場は、110円前後だった。それが現在は150円を下まわることはまれで、それだけでも約40円違う。
では、原油価格自体はどうなのだろう。WTI(テキサス州西部地域の良質原油)という原油価格の指標を比べると、4年前の2021年冬と現在の価格は、それほど差がない。若干ではあるが、今のほうが安いくらいだ。
とすると、元の原油の値段が上がっているのではなく、それを輸入して使う日本のガソリン価格の値があがっていることになる。つまり、為替相場の円安が要因のひとつといえるだろう。
円安は、輸出企業が儲かるので、円高は日本経済を冷え込ませると懸念し、円安を容認する風潮がある。しかし、企業は儲けても、消費者は値上げで苦しみ、少々の賃上げでは生活は楽にならない。ガソリン価格もそうだし、食料品にも影響が出る。