いつまで経っても消えない暫定税率の闇
そしてガソリンには、揮発油税がかけられている。なおかつ、揮発油税は、1キロリットル当たり2万4300円(1リットルでは24.3円)が本則税率なのだが、1993年に2007年までの暫定税率として、2倍に引き上げられた。その期限が切れた2008年に一時的に本則税率に戻ったが、1カ月ほどで暫定税率を復活させて今日に至る。
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暫定とは、一時的な措置という意味であるはずだ。それにもかかわらず、30年以上にわたり2倍の税金を消費者は負担していることになる。もちろん、揮発油税は元売りが支払う税なので、直接消費者が収めているわけではない。しかし、2007年に暫定税率の期限が切れたときに、ガソリン価格が一気に安くなったのを経験した読者もいるだろう。
また揮発油税には、地方税分もあって、1リットル当たり5.2円(本則税率は4.4円)なので、国税と合わせると53.8円になる。
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揮発油税を廃止しないまでも、本来の本則税率へ戻すだけで、25円近い値下げを期待することができる。しかし、クルマの電動化と電気自動車(EV)の広がりにより、ガソリン消費が落ちている今日、税収を減らす策を早々講じないのが国の姿勢だろう。
新車を購入する際に補助金が出されるいま、EVへの乗り換えは、ガソリン価格の行く末を危ぶむなら、ひとつの潮時といえるかもしれない。