なぜ自動車イベントに船!? 子どもの遊び場と化したシールヴァー「Z6 HEVO」の正体とは【大阪オートメッセ2025】

この記事をまとめると

■大阪オートメッセ2025が開催された

■会場に展示されたシールヴァーの船について解説

■ボートトレーラーに載せて運搬することができる

まるでスポーツカーのような取りまわし!

 大阪オートメッセ2025の5号館の入口を入ってすぐ右、「ご自由にお乗り下さい」のハシゴがあって、ほとんど子どもたちのジャングルジム状態になっていたボートを見た、あるいは覚えがあるという人は少なくないのではないか? 説明すると、これはフランスのボルドー発のボートメーカー「シールヴァー」の船で、日本では滋賀県守山市のホースジャパンが輸入代理店をしている。

「この『Z6 HEVO』は、シールヴァーとしては日本でボートトレーラーに載せて運搬できる、初めてのコンパクトサイズなんです。それでクルマに関連するということで、今回初出展しました」と、代表の馬野氏は語る。シールヴァーはウェーヴボートと呼ばれる、水上バイクとドッキングして推力を得るタイプのボート。つまり、水上バイクだけでは2~3人しか乗れないところを、前部や左右にシートを備えたデッキが付け加えられることで、簡易ながらまるでクルーザーのような体裁になるのだ。

 実際、神奈川県や川崎市消防局が、水上レスキュー艇として採用しているほど、その信頼性は高い。その一方で、ウッド&レザー張りのラグジュアリーなデッキに仕立て上げられたのが、このZシリーズという訳だ。

 ウェーブボートの船体自体はFRPで、リヤデッキの中央に水上バイクを格納するU字型の抉りがある。だが、波が当たったときの安定性を高めるために、デッキを縁取るように側面にはインフレータブル、つまりゴムボートと同様のチューブを備えることで、安定性をも確保している。ただし、チューブは耐候性の高いハイパロンを素材を用いており、水濡れや紫外線に数十年もつという触れ込みだ。

 電動ポンプでエアの出し入れはいずれも10分程度という。水上バイクとのドッキングは、ナイロン製のラッシングベルトで締め付けて固定するタイプで、船体側とのアタッチメントはカワサキ、ヤマハ、シードゥー、ほぼすべての水上バイクに対応している。Z6 HEVOは広々としたデッキを備えつつ、もっともコンパクトな船体であるだけに、水上バイクとの組み合わせでは、まるでスポーツカーのように軽快な取りまわしだそうだ。

 子どもたちにはすっかり人気のアトラクションになっていた同モデルだが、馬野代表やスタッフいわく、「子どもたちの笑顔が、ぼくらの未来ですから。綺麗事でいうのではなく、『あっこの船、大阪でもどこでもいいです、見たことがある』っていうぐらい、認知度を上げていくことが第一ですからね。そうなったころには、このボートも日本のボート文化も、ひと皮むけていると思うんです」。

 水上でも、オモロイ ミライへようこそ! という訳だ。


南陽一浩 NANYO KAZUHIRO

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