「ネオクラ」が流行ってるのは国産車だけじゃない! 個性派カスタムの昔懐かしいドイツ車たちがアツかった【大阪オートメッセ2025】 (2/2ページ)

マシンメイクが際立つ3台が集結

 最後に、高品質な日本のカスタムパーツを世界に紹介するというモットーをもつ、”Euro Magic/Kamiwaza Japan”ブースのクルマたちを紹介しよう。

 こちらの”1048Style EVO III”は、DTMでの活躍で名声を得たメルセデス・ベンツ190E エボリューションIIを現代的にリメイクした1台だ。

 ベースとなるのは、190Eのホモロゲーションモデルである190E 2.3 16。そこにエボリューションIIのボディキットを架装し、TWR SuperCatのデザイナーも務めたイギリス人アーティストのKYZA氏がデザインしたカラーリングを組み合わせる。

 ハーフマットのシルバーに加えられたティファニーブルーとブラックのアクセントは近未来的なイメージを感じさせるもので、近年流行のレストモッドのようなニュアンスも漂う仕上がりだ。

 足まわりは、フィットメント・エンジニアリングのエアサスでローダウン。AME製のホイールのフロントにはオリジナルのエアロディスクがセットされており、下げすぎない車高も相まってツーリングカーらしいアピアランスもしっかりと手に入れている。

 インテリアを見ると、両脚のレカロシートやティファニーブルーで彩られたロールバーが走りを予感させるが、純正状態の姿を大きく崩すことはないオトナな雰囲気にまとまっている。

 そして、”1048Style EVO III”に負けじと視線を集めていたのが、2台のフォルクスワーゲン・ゴルフII GTIだ。両者ともに、フォルクスワーゲンをメインにアフターパーツを製作する”Voomeran”のフルキットを装備するが、その仕上がりがまったく別の方向を向いているのが面白い。

 まず、こちらのティファニーブルーでまとめられた1台は、往年のユーロカスタムと現代のスタンススタイルを折衷したような造り込みとなっている。

 サイドのストライプや、ボディ同色にカラードされたターンレンズ類といったアイテムで往年のユーロカスタムのエッセンスを取り入れながらも、Euro Magicオリジナルサスで極限まで低められた車高や、9.5Jという極太サイズのAME Fatlaceホイールなどはきわめて現代的。

 それらがケンカすることなく、自然で美しいまとまりになっているのはマシンメイクの妙といえるだろう。

 もう1台のゴルフは、一転して極めて攻撃的でレーシーな見てくれだが、どこか欧州車離れしたような雰囲気が漂う。

 バイナルのデザインからはじまり、ボディ同色に塗装された長めのチンスポイラーや、Rのゆるいオーバーフェンダーなど、日本車の街道レーサー的な雰囲気を取り入れているようにも見える。

 インテリアは、シートは運転席にしか残されていない単座仕様。4点式ハーネスやステアリングステッチには外装と共通のレッドカラーを取り入れ、縦横無尽に張り巡らされたロールバーはポリッシュ仕上げとされるなど、エクステリアに負けないスパルタンさでありながら、「魅せ」の要素も忘れてはいない仕上がりとなっていた。

 絶対的な台数自体は少なかったものの、どのクルマも素晴らしい仕上がりで、まさに少数精鋭だった大阪オートメッセ2025でのドイツ車ネオクラモデルたち。

 ショーのメインストリームからは若干外れるかもしれないが、このようにニッチなジャンルに絞って好みのクルマを探索するのも、カスタムカーショーの楽しみ方のひとつではないだろうか。


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