楽しみながら成功体験を得られる
同じく成功体験を、クルマを通じて感じてもらえるプログラムが、「こどもばっくす」ことオートバックスのブースで行われているタイヤ交換体験。ガライヤの後輪側、鍛造アルミホイールのボルトを電動レンチで外す/留める作業を、プロメカニックと一緒に行うのだ。
まず作業に入る前からして一丁前。更衣室でメカニックスーツ、いわばツナギに着替えて渡されたキャップを被ると、大抵のキッズは緊張した表情を見せる。遊びとはいえ遊びじゃないのをわかっているのだ。タイヤの正面にしゃがんで、まずはプロのメカニックから電動レンチの扱いについての諸注意。回すには引き金を引くこと、ただし回転部分に触れないこと、回す時は合図に合わせて引き金を引くこと、が求められる。
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合図とともに電動レンチがノイズを立てて、ボルトが外れると、明らかにキッズの目に驚きと喜びが表れてくる。「外れた」という手応えだ。もう一度ボルトを戻して、今度は逆回転に回して留める作業。タイヤが外れないことを確認して、体験は終了だ。
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クルマに触れることを通じて、子どもが楽しみながら成功体験を得られるのは、各社のプログラムに通底するところだが、スバルの「ぶつからないミニカー」はさらに一歩踏み込んでいる。まずはミニカーにマジックで思い思いのカラーリングもしくは絵を描いたあと、ゼンマイの要領で走らせるのだが、ヘッドライトやリヤランプを光らせながら走るだけではない。こちらなんと、スバルの自社開発だそうで、内部に赤外線センサーが仕込まれていて、進路に障害物があると実車のアイサイト同様、ピタリと手前で止まるミニカーなのだ。
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リアルに装備されているアイサイトはもちろん、カメラやミリ波レーダーなどを組み合わせたより高度なシステムだが、車外環境を赤外線経由とはいえセンシングして、ストップ&ゴーを制御する原理自体は、まったく同じ。キッズにも近い未来のSDVの概念を芽生えさせるかもしれないところが、技術屋・スバルの本領なのかもしれない。
ブースの担当者は、こう語る。
「赤外線ですから、障害物の素材や色によっては時々、すっぽ抜けてぶつかることもあります。でも、ピタリとミニカーが止まるのを見ると、子どもも驚いてくれますけど、大人もかなり喜んでくれるんですよね」。
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運転中の失敗、いわゆる追突事故パターンというか、ぶつからないことの恩恵をリアルに感じられるのはむしろ大人で、子どもはぶつからないクルマがカッコいいと思うようになるのかもしれない。ちなみにスバルは屋外会場で、実車でのアイサイト体験も催しているので、大人は失敗をやらかす前に、そちらにもぜひ足を運んでみるべし!