子どもから大人まで楽しめる「実車ランチボックス」
このタイヤで十分に雰囲気は出ているが、ホントはRCカーとまったく同じ外観とスケール感を実現するために、もっと幅広ファットで山型トレッドパターンのバルーンタイヤを履かせたかったとか。だが、そちらを輸入するには1本あたり約250万円、4本で1千万円かかる見通しで、さすがに諦めたそうだ。
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それにしてもジムニーシエラの、エンジンとトランスミッションと4輪トランスファーとリヤデフは、そのまま流用したとはいえ、ノーマルではほぼ水平にこれらのコンポーネントは並んでいる。だが実車ランチボックスでは、エンジン&トランスミッション側のシャフト出口からリヤデフまで、約150cmの高低差がある。それほど車高がアゲアゲに上がっているため、すべてのコンポーネントは斜めに傾けて積まれ、ガレージ愛知が独自に製作したプロペラシャフトや4つのユニバーサルジョイント、リンケージで繋ぐことで、4輪に動力を配分できるようになっている。最大の見どころは、車体中心付近のトランスファーから、前車軸を駆動するプロペラシャフトが、「吊り下げ」たようなリンケージを経て、ぐっと回転軸を下げているところだ。ちなみにサスペンションはフレームの車軸の間で4リンクを介して組まれており、1mを優に超えるストローク量が見込まれる。
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それでもボディ自体はアルミを多用しているため軽量で、600kg前後とのことで、こどもビリティの一環として、ウインチのワイヤーを子どもが綱引きのように引っ張る、あるいは設置されたハシゴからドライバーズシートの高さまで登ってみるアトラクションが大好評。大人もワイヤーを引っ張っては、記念写真に興じるほどの人気だった。
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模型からリアルへと、通常とは逆コースで実現されたカスタムカーだが、大人が本気で遊んでいるからこその楽しさは、子どもにもきっちり伝わるものなのだ。