軽をナメるなの「バカッ速」コペンとミライースが熱すぎる! 災害支援車も展示したダイハツはオールジャンルに全力投球!!【大阪オートメッセ2025】 (2/2ページ)

災害支援のためのクルマにも注目

■世界最高レベルのコーナーリング性能を秘めた「コペン GR SPORT モータースポーツ参戦車両」

 DAIHATSUブース最前列の中央という一等地にさりげなく展示されていたコペンは、そのひっそりとたたずむ雰囲気とはうらはらに、いまのダイハツの高性能追求の精神を象徴する車両でした。

 この「コペン GR SPORT モータースポーツ参戦車両」は、DAIHATSU GAZOO Racingの相原さんをドライバーに、コペンの開発にも多くのかかわりをもつ商品開発部の殿村さんをチームの監督として、「ラリージャパン」に参戦し続けている車両です。

 競技への参戦の目的は、「250万円で購入できる最小のスポーツカーで、どれだけ速さが追求できるのか、そして走る楽しさを感じてもらえるか」というものだそうで、車両にもドライバーにも大きな負担がかかるラリーという競技の場で、速く走る楽しさを追求するアイディアを実証しています。

 この車両のトピックを紹介していくと、まずエンジンはベースのKF型を大胆に770ccへと排気量アップ。さらにターボを加えて大幅な出力アップが図られています。

 バンパー開口部から見える大型のインタークーラーからもそのパフォーマンスがうかがえます。

 シャシーにも多くの手が加えられています。緻密なコーナーリングには欠かせないボディ剛性を高めるため、独自設計の17点式ロールケージを装着。さらに、ドライカーボン製のハードトップを接着することで、ノーマルとは段違いの剛性となっています。

 そして、もっとも注目したいのがワイドトレッド化です。コンパクトなサイズが独自の利点であるコペンの武器が最大限に生かせる方法を模索したときにホイールベースとトレッドの比率に着目しました。

 それまでの競技参戦で得られた知見を元にいろいろ検討を重ね、片側40mmという大胆なワイドトレッド化に着手しています。

 このワイドトレッド化の効果は絶大で、従来はタイヤの消耗がシーズンで2セットだったところ、いまは5セットも消耗するほどになったとのこと。

 これは4輪のグリップ性能が上がった証で、展示車両のタイヤのトレッド面を見れば、接地面全体を目一杯使っていることが分かるでしょう。

 開発責任者の殿村さんに「このコペンのタイトコーナーをまわるスピードは、世界トップレベルだと胸を張っていえます」といわしめるほど、コーナーリング性能は高まったようです。

 ちなみに、参戦を始めたころは排気量も車体サイズも大きいヴィッツを相手に互角の戦いができていましたが、ヤリスへとモデルチェンジが行われたとたんに歯が立たなくなり、その間を埋めるためにワイドトレッド化に踏み切ったんだそうです。

 その高いコーナーリング性能をひっさげて、今シーズンのラリージャパンに挑むとのことなので、興味がある人は注目していましょう。

■競技への情熱を印象づける一方で、地道な災害支援への活動もアピール

 地震が多く、海に囲まれている立地のために災害への心配が絶えない日本では、災害に対応する取り組みが求められます。

 DAIHATSUでは、クルマのメーカーとして、できるだけの支援を行っていきたいと、実際に地道な活動を行っています。

 今回の展示では、その一部を紹介していました。

 そのなかで興味を引かれたのは、「防災士」として災害支援の活動をしている「さばいどる かほなん」さんと、その相棒である「アトレー WILDRANGER2」です。

 かほなんさんは以前からアイドルとして活躍しながら、好きなキャンプやサバイバルを題材にYoutubeなどで活動を行っていた人で、その活動が縁で被災地での災害支援活動を行うようになり、いまでは正式に資格を取り、「防災士」として協定関係の自治体の支援活動に励んでいるそうです。

 その活動がDAIHATSUの目に留まり、コラボレーションをすることになったとのこと。

 この「アトレー WILDRANGER2」は、かほなんさんの要望を満たすようにDAIHATSUが車両の製作を行ったモデルです。

 車体色の黄色は「災害地で目立つように」という狙いを込めてかほなんさんが考案したカラー。外装には荒れた道を走破できるようにガードプレートを装備したり、支援物資などを積載できるようにルーフにキャリアを備えたりと、実用に即したカスタムが施されています。

 そして注目なのは荷室の特殊装備です。災害支援とサバイバルのためのさまざまな道具類を効率的に装備するため、オリジナルの設計でラック類を製作。実際の活動で大いに役立っているそうです。

 この仕様は車名にあるようにVer.2とのことで、これまでの活動から得た知見をもとにバージョンアップされた仕様です。

 今後もDAIHATSUとともに地道な活動を続けていくとのことなので、注目していきましょう。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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