マツダの貴重な秘蔵車も間近で見られるドライビングレッスン
そして次の“目からウロコ”は、「あなたの身体能力を引き出すドラポジ」フィッティング。これは昨年、10周年を迎えたMDA(マツダ・ドライビング・アカデミー)のインストラクターを務めている小坂智雄さんと松比良祥一郎さん(所属はブランド体験推進本部イベント推進グループ)が担当。
インストラクターを務める小坂さんによるドラポジのレクチャー画像はこちら
このMDAはサーキットを速く走りたいということではなく、あくまで「安心・安全」で同乗者にも優しく、かつクルマを意のままに操ることが目的のスクール。その基本のひとつがドラポジだ。ハンドルをもつ場所だったり、引くのか押すのかとか、あるいは親指を握り込むか否かなど、ごくごく基本的なことでも、「こんなに違うんですね!」という受講者の驚きがこちらにも伝わってきた。さらに上半身だけでなく、下半身もドラポジでは大切ということで、どこを軸にすればスムースで疲れないペダルワークができるかを伝授されていた。
その後は、虫ちゃんのドライブする助手席で、マツダR&Dセンター横浜の敷地内を“世界一遅く”同乗走行。そこで何が語られていたのかは、8万円を払った人だけの秘密の特権だ。
R&D横浜の敷地内を同乗走行画像はこちら
さらに虫ちゃんの代表作、2代目プレマシーの前期型と後期型の乗り比べメニューも用意。これは2列目中央にあえて可動するシートを設置。そこにベルトなしで座っての走行を味わうことで、どれほど自分の体が左右に振られるかの違いを体験してもらうというのが狙いだ。
もちろん、改良された後期型のほうが後席の乗員にも優しく、頭が振られる度合いも小さくなっている。
2代目プレマシーの前期型と後期型画像はこちら
マツダの開発ドライバーでもトップランクの中本 明さん(車両開発本部操安性開発部)が10km/hから12km/hという超低速でコースを周回。じつはこのメニューだけ筆者も体験させてもらったが、お尻が左右にズレるのはわかっても、本当の違いを感じる前に勝手に足が踏ん張って対応しちゃうために、新旧の違いを逆に感じて恥をかいたことを告白しておこう。
R&D横浜の敷地内を同乗走行画像はこちら
そして最後のメニューはレッスンではなく、内田さんの案内で、バックヤードに保管されているメモリアルマシン群の見学。ここは広島の本社ミュージアムに次ぐ規模で、普段は非公開となっている。ル・マン24時間参戦マシン(レプリカ含む)やコスモスポーツ、3輪トラックやコンセプトカーのRX-01など、とくに昔を知る年配の参加者たちからは大好評。
われわれ当日の取材陣も仕事を忘れて、展示車両を食い入るように見学してしまった。
バックヤードに保管されているメモリアルマシン群画像はこちら
最後はスタッフが奔走して、自分が気に入った展示車両を前にしてのスナップに、虫ちゃんの直筆サインが入った記念品も贈呈。匠たち全員が並んで手を振って見送るなか、マツダR&Dセンター横浜を後にして、8万円の特別なレッスンが終了した。
なお当日は、横浜市役所の政策経営局財源確保推進課でふるさと納税を担当する西海友希代課長も来場。横浜市のふるさと納税に関する現状をレクチャーしていただいた。単独の市では全国最多の人口を誇る横浜市だけに、当然納税者もハンパなく、令和5年度には260億円が全国のほかの市町村へのふるさと納税として、ある意味で流失していたとのこと。逆に令和の当初、横浜市へのふるさと納税額は2億円から3億円だったという。
横浜市役所の政策経営局財源確保推進課でふるさと納税を担当する西海友希代課長画像はこちら
当初は静観していた横浜市だが、さすがに自らの持つ資源の活用もするべきと、令和7年度に20億円を目標に返礼品の充実に努めた結果、令和6年度の12月までという(9カ月の)暫定で26億円を達成。最大の貢献はK社のシューマイらしいが、このマツダのレッスンの個性と存在感も注目に値するだろう。