トライトンはジャンプもドリフトも可能!
次にトライトンを試乗する。トライトンはタイで生産され国内に逆輸入されるピックアップトラックだ。雪道など寒冷地には適していないような出生だが、ドライブモードにはスノーモードが設定されている。前出テストドライバー氏によれば、「FRモードにしてドリフト走行も楽しめます」という。
まずは4WDモードでフルタイムの4Hを選択し、ドライブモードはノーマルモードを試す。トライトン用の試走コースはアップダウンに路面のカントが大きく、ジャンピングスポットも複数箇所。登り勾配30度近い泥濘の登坂部もある。通常の乗用車では4WD車でも走破不可能な難コースとなっている。
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結論からいえば、トライトンはまったく苦もなくこの難コースを走破できてしまった。ジャンピングスポットでは4輪が浮き上がり、着地時には大きな衝撃も。しかし、車体もラダーフレームも強固で、軋み音ひとつ立てず走破してしまう。サスペンションからも頑丈さが伝わり、ステアリング剛性も高い。路面からのキックバックは感じず、操舵力変化もない。つねに安定した操舵フィールでフラットな雪路も泥濘路もクリアしていける。さらに速度を上げてもストレスを感じないほど。アジアンクロスラリーで鍛えられた頑丈なクルマ作りが生かされているわけだ。
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トライトンのドライブトレインは2H(後輪駆動)、フルタイム4WDの4H、4HLc(直結4WD・センターデフロック)、4LLC(ローギア直結4WD・センターデフロック)と選択でき、センターデフは前40:後60の前後駆動力配分固定式。加えてセンターデフロック時にはリヤデフロックもマニュアルで選択できる。フロントデフはフリーだが、片側ブレーキを掴む制御でブレーキAYCとして機能させ、ブレーキLSD効果も引き出せる。
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これらを制御するロジックは4Hではグラベル・スノーのモードが選べ、4HLではマッドとサンド(砂地)モードが、4LLCはロックモード(岩場)が選択できる。4LLC+ロックでも普通に走れてしまう柔軟性は他社のピックアップトラックにはない。2Hはノーマルとエコモードが選択でき、雪道のグリップでは十分なパワーが引き出せて確かにドリフト走行も容易だった。
シャシー剛性、ステアリング剛性が高く、深いスリップアングルでもドリフトコントロールできた。海外向けでは2輪駆動モデルが存在し、そちらは後輪駆動のリヤデフロックも可能とのことで、すでにドリフトに興じるユーザーも現れているそうだ。
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国内のラリーにも登場して大きな話題を呼んでいるトライトン。車体寸法の大きさからは想像できないような俊敏な走行特性と圧倒的な踏破性は確かに魅力的だ。クロスカントリーSUVとはまた違うタフで実用的で走りも力強く、そのドライビングは想像以上に楽しいものだった。
![試乗車主要諸元表](https://cdn-webcartop.com/wp-content/uploads/2025/02/mitsubishi.snow_spec_.jpg)