さまざまな路面状況に対応
ステアリングは転舵する力も保舵する力も必要なく軽い。高速でひとつ気になるのは直進の中立付近が過敏なこと。本来なら手を添えていればいい部分で、微妙に左右に修正する必要がある。
そこをエンジニア氏に尋ねると、レイバックはステアリングギヤレシオがクイックなままフル転舵まで刻まれている。
一方、乗り換え試乗で比較対象になるクロストレックは、バリアブルレシオで初期はクイックだが大舵角に向かうほどスローに変化する。クルマのキャラクターからすると、ステア操作に対する動きはクロストレックとレイバックを入れ替えていいのではないかと思う。
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クロストレックのほうが全体的に重めの操舵感があり「女性からは重いといわれるかもしれません」……とのことだが、個人的には中立付近の立ちのよさ、重さ感と安定性もクロストレックに軍配を上げる。
そこはクルマのキャラクターも関係するが、エンジニア陣も時代時代で、「このほうがマッチするのではないか」と考えられる最良を仕込んでいるので、尊重したい。
つまりクロストレックが新しい考え方である。
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酸ヶ湯温泉までの山道はマイナス3度で路面は圧雪が溶けて凍結。
路面状況に応じて滑るところは滑るが、その路面の変化を目視だけではなくクルマ側からステアリングを通して感じさせる点が素晴らしい。滑りは手応えが軽く、接地感も乏しいので、ここはアクセルもブレーキ操作も初期をじんわりとソフトに加えることで挙動の乱れは防ぎやすい。
青森まで向かい、雪上でのスバル車の優位性を存分に味わう……。という目論見は結果、好天が雪を溶かし、シャーベット状からウエット〜ドライの変化で、結果からいうとどの路面もごく普通に、何のテクニックも必要なく走破した。
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レヴォーグ・レイバックとクロストレック。キャラクターの違う2モデルに、2.5リッターストロングハイブリッド、片や1.8リッターターボCVTと、比較する対象ではないが、ターボラグを感じさせない素直なレイバックの全体的なバランス感覚に好印象をもった。
レヴォーグ、という名が走りをイメージさせるので、レイバック単独の名称でいいのではないか、と思った。
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