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環境のためのEVなのに1000馬力オーバーのハイパーカーってどういうこと? EVの存在意義を改めて考えてみた (1/2ページ)

環境のためのEVなのに1000馬力オーバーのハイパーカーってどういうこと? EVの存在意義を改めて考えてみた

この記事をまとめると

■EVには1000馬力にも達するハイパーカーが何車種も存在する

■クルマの歴史はスピードへの挑戦という側面もある

■筆者は環境性能に優れているとはいえないハイパワーEVも長期的な目線で意義があると考えている

EVハイパーカーを作る理由とは

 電気自動車(EV)は、何のために存在するのか?

 EVが、発明されたのはエンジン車より早かったとされ、時速100kmを超えたのも、EVが先だとされている。

 自動車というものが普及するのは20世紀に入ってからだ。多くの人が手にできるようになった理由は、米国でフォードがT型を流れ生産によって製造したからである。それまでは、ロッド生産と呼ばれ、1台1台何人かの職人が手作りして組み立てた。なので生産性が悪く、高価な乗り物であった。

 そうしたなか、カール・ベンツがエンジン車として初となるパテント・モトール・ヴァーゲンを発明して以後、後続の自動車技術者たちは、自らの力量を世に示すため、高性能化に躍起になった。19世紀の末には、自動車競技が始まっており、当初は蒸気機関自動車が勝ったが、間もなくエンジン車が勝ちだす。

 そのように、クルマが誕生してから人々を魅了したのは、速さへの挑戦だったといえる。したがって、EVになっても、速さへの憧れが消えるわけではない。

 そうしたなか、世界有数のGTカーとして知られるドイツのポルシェは、EV時代を見越してタイカンを生み出した。その後は車種も増え、最高出力は300kWから760kWまで選択肢がある。760kWといえば、1000馬力近い。

 気候変動対策としてEVの普及が望まれるなか、電力消費が多くなるであろう高性能EVの存在意義はあるのか? との疑問があるかもしれない。

 なおかつ、国や地域によって電源構成比はさまざまで、火力発電への依存度が高い国や地域では、たとえ走行中に排出ガスを出さないとしても、走行エネルギーの源になる電力は二酸化炭素(CO2)の排出に負うとの考えもあるだろう。

 しかし、EVの存在意義は、気候変動対策に止まらず、大気汚染防止にも役立つ。どれほど高速で走行をしても、空気を汚染しないのがEVだ。

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