高いものにはワケがある
いまの自動車業界で大きな話題となっている、スバル史上最高の燃費性能を実現したストロングハイブリッド搭載のクロストレックは、アイサイトXを標準装備するPremium S:HEV EXがこれまた400万円オーバーの405万3500円となる。
水平対向エンジン+シンメトリカルAWDの組み合わせでWLTCモード18.9km/Lの燃費は、スバルファンにとって念願かつ大歓迎に違いはないが、インプレッサの価格が301万4000円スタートであり、兄貴分のレイバックのアイサイトXが付くLimited EXですら400万円を切るのだから、パワーユニットの大きな違いを理解した上でも、クロストレックのストロングハイブリッドモデルはけっこう高いという印象を受けるのではないだろうか。当然、価格が接近するレイバックとの間で悩めることにもなりそうだ。
国産コンパクトカーでも、うっかりしていると新車の見積書にびっくりするような金額が表示される車種もある。たとえば日産ノートだ。グレードが整理されて、標準車はXグレードの229万9000円になったが、日産自慢のプロパイロットのセットオプションを付けると約42万円のプラスになり、いきなり270万円オーバーの車両価格になってしまうのである。
と、国産車も高くなった……と嘆かざるを得ない今日このごろだが、ちょっと待てよ!! である。上記のシビックe:HEVモデルは、たしかにシビックのハイブリッドモデルではあるものの、その実態はかなりスポーティで、サーキットで走らせても楽しすぎる、実用的でありながら、すべての操作系に一体感ある、走り好きの心を高揚させるほどの、自動車の専門家お墨付きのスポーティモデルなのである。
なにしろ2025年1月10日に発表された、2025北米カー・オブ・ザ・イヤー受賞車でもあるのだ。シビックの過去のイメージからすれば、e:HEVモデルの価格は確かに安くはないが、それに見合う内容といっていい。走り好きの人ほど満足度が高い1台でもあるのだ。
一方、クロストレックにしても、現行モデルはストロングハイブリッドの登場以前から、歴代スバル最上の乗り心地を実現し、シンメトリカルAWDにはXモードも備わるコンパクトオールラウンダーとして高い評価を得ている1台だが、スバルファンにとって念願のスバル史上最高の燃費性能をスバル初のストロングハイブリッドで実現したわけで、価格を超えた魅力、価値を備えていることになり、これまでスバルのクルマを認めていても、燃費性能で購入を躊躇していた人にも納得の1台となったことは確かだ。
ストロングハイブリッドとアイサイトXの搭載ともなれば、クロストレッククラスでも400万円オーバーという価格は、その燃費性能、オールラウンダーとしての性能、驚異的な快適性を含む内容から、まったくもって高すぎることはないと思えたりもする。