正しいドライビングポジションを取るメリットとは
ご参考まで、筆者も所属している日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)では、一般のドライバーに教えるときに概ね以下のチェックポイントに則して指導している。
1)シートに深く座る
→オシリをしっかりくっつけること
2)高さが調整できるシートの場合は、アイポイントを高めに調整する
→頭まわりが窮屈に感じない範囲で、できるだけ高めに
3)前後スライドを調整する
→ブレーキペダルがしっかり踏めること(※ペダルはON/OFFで深さが変わることに注意)
→フットレストに左足を踏ん張っても膝が少し曲がる程度に
4)ハンドルとシートバックを調整
→ハンドルの12時の位置をもって肘が少し曲がる程度に
→運転時はハンドルの9時15分の位置をもつ
→骨盤を立てることを意識する。後傾していると疲れやすくなる
5)ヘッドレストの高さと、頭のてっぺんの高さを合わせる
6)シートベルトを調整
→肩から外れず、首にかからないように
→たるみをなくす
これがちゃんとできていれば、見た目もよくて運転しやすくてより安全に運転できるはずだ。ところが、せっかくドラポジがちゃんとできていても、コーナリング時に首を内側に傾けるとカッコ悪く見える。
横Gに抗って首を傾けてしまうのもわかるが、クルマがロールしても、できるだけクルマに対して頭は垂直を保っているほうがいい。それで目線だけ、行きたい方向を見るようにするといい。
コーナリングしている際の運転席からの景色画像はこちら
横Gがかかったときに身体をちゃんと支えられないのもカッコ悪い。コーナリングではフットレストを有効に使って、左足をつっぱってシートの背もたれに身体を押しつけるイメージで、なるべく身体がブレないようにするといい。これがちゃんとできれば自然とあまり首を傾けずにすむようになるはずだ。
あとは、とくに女性に多いパターンなのだが、車庫入れで後退するときに、クルマがどういう状態になっているのかわからなくなって、パタパタとハンドルをせわしなく動かしてしまうのもカッコ悪い。そうならないようにするには、ハンドルをどれだけまわしても毎回、同じ場所をもつように意識するといい。
女性がハンドルをまわしている様子画像はこちら
これは口でいうのは簡単で、実際にやるとなるとなかなか即座にはできないものだが、ちゃんとやろうと意識してコツをつかめば意外と早くできる。筆者の教えた生徒さんでも、最初はダメダメだったのに、とにかく右手は3時、左手は9時の同じ場所を必ずもつようにアドバイスをしたところ、ものの5分ぐらいで見違えるほど上手く車庫入れできるようになった人もいた。そのとき、まさしく「見違える」ほどで、運転している姿の見た目がよくなっていたことが印象的だったものだ。
いいドラポジはいい運転の源であり、いい運転ができていると見た目もいいということを念を押しておきたい。