過酷なインドではやっぱり頑丈な日本車が人気! 歩道橋から定点観測してわかったスズキの存在感 (2/2ページ)

日本車はやっぱり頑丈!

 気になる中国系メーカーだが、BYDオート(比亜迪汽車)よりも、上海汽車系のMG車のほうがはるかに多かった。しかも、BEV(バッテリー電気自動車)ではなく、ICEとなるクロスオーバーSUVの「ヘクター」や「グロスター」が多い印象。

 また、タイやインドネシアではウーリン(上海通用五菱汽車)ブランドで販売されているマイクロBEVの「エアEV」を「MGコメット」、「クラウドEV」を「MGウインザー」としてインド国内では販売しており、とくにウインザーはかなり多く走っていた。

 2023年以来2年ぶりにデリーを訪れたのだが、乗用BEVは順調に増えており、そして選択肢も増えていた。2023年では圧倒的にインドブランドのタタ系BEVばかりだったのだが、今回定点観測してみると、フランスのシトロエンやルノーのほか、韓国の起亜自動車やヒョンデ自動車、BYD・ATTO3など、外資ブランドをよく見かけることもできた。

 インドブランドでも、タタ以外にマヒンドラ&マヒンドラのBEVも街を走っていた。BEV以外にICEでもフランス車(ルノーやシトロエン)が目立つのだが、これはインド国内で生産したインド専売や新興国向け仕様を多くラインアップしていることが影響しているようである。

 スズキは日本メーカーとしていち早くインド市場に進出した。ただし、「ファーストペンギン」だからというだけで、今日のインド市場でのトップの地位を築けたというわけでもないだろう。スズキの得意とする「小さいクルマ」をインドの人も求めており、インドに適したモデルの供給を続けたことも大きいように見えるし、現地子会社「マルチ・スズキ」の営業力の賜物というのもあるようにうかがえる。

 インドにおけるクルマの使い方はまさに「酷使」という表現が似合うもの。ウーバーで使っていれば数年で走行距離が40万kmになってしまうほどで、メンテナンスらしいメンテナンスもろくに行われずに使い続けられるのである。

 たまたまウーバーを呼んだら、韓国ヒョンデのコンパクトセダン「オーラ」がきた。走行距離は5万km弱(だいたい新車でおろして半年ほど経過)だったのだが、助手席側の後部ドアハンドルが抜け落ちるというあまり聞かないトラブルが発生していた。同クラスのディザイアでは見た目はかなり使い込んでいても、そのような「えっ?」と思うトラブルにはまず遭遇したことはない。日本車の優秀さを改めて知った瞬間であった。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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