オラ感のないスーパーカー「アウディR8」がついに消えた! 言い得て妙な「インテリジェントスーパーカー」の18年を振り返る (2/2ページ)

後継車が2025年には誕生するという噂あり

 そして2009年には、5.2リッターのV型10気筒エンジンを搭載する5.2FSIクワトロが発表され、2008年にやはり5.2リッターにグレードアップされていたガヤルドとの性能差は、ガヤルドの560馬力に対してR8は525馬力という結果になった。

 参考までにこの5.2リッターユニットは、それまでの5リッターユニットとは異なり、オフセットなしの5スロークランクをもつもの。さらに、R8からV型8気筒仕様が廃止されたことで、R8とガヤルドは完全な姉妹車という関係になった。

 2016年には、フルモデルチェンジによって、セカンドジェネレーションのR8が誕生する。ミッションは7速のSトロニック。ボディ構造は変わらずASFだが、アルミニウムのほかにCFRPなどの軽量素材も使用され、ボディの単体重量は200kgにまで削減された。V型8気筒エンジンの最高出力は、スタンダードモデルの「R8 V10」が540馬力、ハイパワー版の「同プラス」が610馬力というスペック。0-100km/h加速はプラスでは3.2秒を記録するに至っている。

 さらに、その後もアウディはR8の強化には積極的で、2019年にはスタンダードモデルを570馬力にパワーアップ。今回は基本ボディとなるクーペの流れを中心に解説を進めてきたが、R8にはほかに流麗なスパイダーも存在する。

 まさに「インテリジェントスーパーカー」そのものの雰囲気と走りを実現するアウディR8。一説にはその後継車が2025年には誕生するというのだが、はたしてアウディは、それにどのようなパワーユニットを与えてくるのだろうか。あるいはそれは現代の最先端をいく、BEVであるのかもしれない。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
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