「付加車線」は一般道にも存在する
一般道での登坂車線は、本線の左側に設けられるが、自動車専用道路ではクルマの流れがより速くなり、追い越し車線側に速いクルマのための登坂車線を設けるほうが、素早く追い越しを終えられるので、より安全になるとの考えによる措置だ。
付加車線は、必ずしも自動車専用道路や高速道路にだけ設けられるわけではなく、交通状況に応じて一般の道路でも検討の上、設置される。
根本的な解決策は、車線を増やすことにあるだろう。だが、道路周辺の環境(住宅地が迫っていたり、山や谷があったり)によっては、必ずしも車線を増やせるわけではなく、広げられる区間にのみ付加車線を設ける対策が行われる。その際、車線の幅は本線と同じであることという条件があり、限られた区間のみの追加とならざるを得ない。
付加車線を利用するにあたり、制限速度など道路法規は本線と同様になるので、本線右側の追い越し用の付加車線以外は、追い越しの目的で使うことはできない。また、追い越しのための付加車線であっても、その先の車線減少に際して十分な安全の確保が求められる。
ところで、付加車線が終わるカ所では、本線の車線の数がもとに戻るので、結局、ある程度の速度低下や渋滞は生じかねないのも事実だろう。それを緩和するためにも、車線が減少する場所では互いに譲り合う心が大切だ。
また、合流するほうのクルマは、あまり手前から本線へ戻ろうとすると余計な渋滞の原因となりかねない。合流地点まで到達してから、その間に本線のクルマの流れを吟味し、間合いをはかって1台1台交互に合流するという運転が望ましい。
こうした合流の作法は、付加車線に限らず、インターチェンジでの合流に際しても同様だ。