MINIのキャッチ「ゴーカートフィーリング」ってなに? オーナーが歴史と共に紐解く!! (2/2ページ)

BMW版MINIも「ゴーカートフィーリング」を継承している

 さらに、2001年に登場したBMWのMINIでも受け継がれているのかどうか、気になるところですが、当時取材したメモを見てみると、開発チームはみんなクラシックMINIを敬愛しているメンバーで、どうにかして現代にあった走行性能と安全性を確保しながら、クラシックMINIのもち味を再現できないかと試行錯誤したと聞いたことが記してありました。

 たとえば、運転席に座ったときの視界の感覚や、タイヤが四隅にあって扱いやすい感覚。そしてまさに、「ゴーカートフィーリング」も再現したい要素に入っていたそうです。実際、初代のBMW MINI(R50)は、かなりクラシックMINIに近いハンドリングだったと記憶しています。ボディは大きく重くなっているというのに、コーナリングでもフラフラしたり大きくロールすることなく、クイックに曲がっていくあたりは、リヤサスペンションにマルチリンクを採用していることが大きいかもしれません。

 ラゲッジルームのスペースは少し犠牲になりますが、マルチリンクはコーナリング中の接地性を高めることができるのです。乗り心地に関しては、やはり路面の凹凸に対して振動が大きく入ってくることもあるのですが、それよりもハンドリングのよさ、コーナリングの楽しさを優先しているともいえるのではないでしょうか。

 ただ、代を重ねていくにつれてベーシックグレードのONE(現行ではC)などは、乗り心地とのバランスがよく、ゴーカートフィーリングの面ではマイルドに感じたり、少しずつキャラクターが異なるMINIが増えていきます。最新型では3ドア、5ドアモデルの名称がすべてクーパーに統一されましたが、乗り味は上質感がアップして、普通に走っていると落ち着いた大人のコンパクトカーだと感じるほど。

 でも、それだけでは終わらないのがやっぱりMINIで、最新型には走行モードにその名も「ゴーカート」が登場! タッチディスプレイで選択したとたん、「ヒャッホー!」というようなテンションあげあげの雄叫びが聞こえて、思わずニヤリとしてしまいます。

 そして、走り出せばキャラクターは激変。これぞゴーカートフィーリングといわんばかりのホットな走りが体感できますので、この先もMINIとゴーカートフィーリングはいつまでもセットであり続けることでしょう。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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