極論「洗車しない」がイチバン! 旧車にとって「水浴び」はリスキーだった (2/2ページ)

極論は洗わないのが1番!

●ボディの汚れを取るなら水拭き

 そうなると、旧車およびネオクラシックカーをどうやって洗車すれば? という問題にぶち当たります。汚れを落とすなら「水拭き」です。洗車用のクロスを用いて適度に水を含ませ、ボンネットから屋根、ドア、バンバーと、汚れが目立つ上から下へと拭き取っていきます。

 保管環境や洗車の頻度によっても異なると思われますが、基本的には1度使えば洗車用のクロスがかなり汚れます。もったいないけれど再利用せず、毎回使い捨てと割り切って洗車をしていくことで塗装面のダメージを軽減できます。

●この際、洗車傷は気にしない

 通常の洗車では御法度とされる、ボディが乾いた状態で「いきなり水拭き」をすれば、専用の洗車クロスを用いて慎重に拭き上げても洗車傷がつくことは避けられません。ここは「洗車傷<錆を回避」するほうを優先し、多少の洗車傷は目をつぶって割り切るしかなさそうです。

 人それぞれ考え方が異なると思われますが、博物館に展示するわけではありませんし、個人的には「使用感」があったほうが雰囲気があっていいかもしれません(と思い込むことも大事かも)。

●まとめ:究極は洗車しない

 筆者も1970年製の旧車を所有していますが、屋内保管ということもあり、洗車は1年に1度するかしないかという頻度です。いろいろと試行錯誤した結果、遅まきながら「洗車しないに限る」という結論にたどり着いたからです。

 ただし、洗車をしない代わりに、毛ばたきを用いて定期的にボディ表面に付着した埃を拭き取っています。2本の毛ばたきを使い、片方はボディの埃を拭き取る専用(奮発してオーストリッチ)、もう片方は埃を落とす専用(汎用品)と使い分けています。

 2本の毛ばたきを埃がつくたびにポンポンと叩くことで汚れを落としていくのです。この方法はクルマ趣味の師匠に教えてもらいました。かつてとあるクラブのコンクールドデレガンスで3度優勝したツワモノの直伝なので、そのやり方を実践しています。

 人間もある程度年齢を重ねれば体のあちこちにガタがくるように、クルマだって経年劣化しています。完璧を求めず「多少の汚れや傷は仕方ない」くらいの大らかさを持ちあわせたほうが、結果として愛車と長く付き合えるはずです。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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