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端から順番に点火していかないのはナゼ? クルマのエンジンの点火タイミングの謎 (2/2ページ)

端から順番に点火していかないのはナゼ? クルマのエンジンの点火タイミングの謎

この記事をまとめると

■4サイクルエンジンではピストンが2回上下する間にすべてのシリンダー内で爆発を起こす必要がある

■エンジンの気筒数によって点火する順序は異なっている

■点火タイミングはシリンダー数とクランクピンの配置角度によって決まる

点火時期は気筒数によって各気筒の最適タイミングが異なる

 自動車で使われる内燃機関は、大きくわけてガソリンエンジンとディーゼルエンジンのふたつがある。両者の違いは、燃料がガソリンか軽油という点で、機構的に見るとガソリンエンジンは燃料の着火用にスパークプラグを使うことに対し、ディーゼルエンジンは吸入気を高圧縮しその熱で着火する方式を採っている。

 さて、ガソリンエンジンのスパークプラグだが、常時、点火のための電気を流しているわけではない。各シリンダーのピストンが上限(上死点)に達する直前に通電して電気火花を発生、混合気に着火するわけだが、4サイクルエンジンのピストン上昇運動には、圧縮と排気ふたつの行程があり、当然ながら点火(着火)は圧縮行程の最終期に行われることになる。

 ところで、現在使われている自動車用4サイクルエンジンのシリンダー数だが、少ない順に並べていくと、単気筒、2気筒、3気筒、4気筒、5気筒、6気筒、8気筒、10気筒、12気筒、16気筒あたりと多岐に及んでいるが、ここで気になるのはどんな点火順序がとられているのか、ということだ。

 単気筒は、当たり前だが選択肢はなし。2気筒も交互の点火以外に選択肢はない。問題は3気筒からだが、3気筒は1→2→3(または3→2→1)、4気筒は1→3→4→2(または1→2→4→3)、5気筒は1→2→4→5→3、6気筒は1→5→3→6→2→4など多数、8気筒になるとさらに増え1→8→4→3→6→5→7→2など多くの方式が存在し、10気筒は1→10→9→4→3→6→5→8→7→2など、12気筒も1→7→5→11→3→9→6→12→2→8→4→10など多くの方式が使われている。

 なぜこんなに多様になるのか。この点火順序の決め方(というより必然的に決まってくるのだが)の基本となるのが、シリンダー数と回転バランス(慣性力、慣性偶力)を前提としたクランクピンの配置角度にあると考えてよいだろう。

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