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「台車」って意外と宅配ドライバーの悩みの種! いま「アシスト付き」に「転舵しない車輪」などハイテク化が進んでいた

「台車」って意外と宅配ドライバーの悩みの種! いま「アシスト付き」に「転舵しない車輪」などハイテク化が進んでいた

この記事をまとめると

■宅配ドライバーは荷物を台車に乗せて運ぶことが多い

■悪路や登り坂ではドライバーにかかる負担も大きい

■そこで注目されているのが「アシストユニット」だ

ドライバーの負担を軽減するアイテムが登場!

 宅配ドライバーは、トラックから降ろした荷物を台車に乗せて運ぶことが多い。暑いなか、または寒いなか、雨や風のなかなど、傍で見ていても決して楽な作業ではなさそうだ。実際に歩道などでの台車走行は、周囲に注意を払わなければならないシーンが多いという。これは、経験してみないとなかなかわからないものなのだ。

 まず、歩行者の邪魔にならないように気を配る必要がある。とくに、ベビーカー、車椅子、自転車などと遭遇したときには、進路を譲るなどしてコースを変えなければならない。このとき、意外と路面の変化にダメージを受けることがあるのだ。たとえば、街路樹の植え込み。ここは土になっているところが多く凹凸が激しい。

 さらに、駐車場や店舗に入るための切り下げは、台車が斜めになるので荷崩れにも注意が必要である。歩くときにはそれほど感じないのだが、サスペンションやショックアブソーバなどの緩衝装置を備えない台車は、こういった路面の変化によるショックを直接受けるので、荷物が損傷する危険性があるのだ。

 このような変化に対応可能なのが「トランスフォームする台車」だ。これは、一般的な台車の形状だけではなく、必要に応じて荷物を抑える「支え」を前方に展開することができる。また、キャリ―ケースのような2輪走行仕様にするときには、この「支え」が荷物を載せる台の役割を果たしてくれるのだ。使わないときには手すり部が折りたためるだけではなく車輪も倒すことができるので、よりコンパクトに収納することが可能。荷物を止めるゴムも付属しており、アウトドア愛好家の間でも人気を博しているという。

 台車の運搬は、悪路だけではなく登り坂でもドライバーの負担が大きい。とくに重い荷物を載せているときには大きく体力を消耗してしまう。そこで注目されているのが、2024年9月に開催された「国際物流総合展2024」に参考出品されていた「アシストユニット」だ。これは、台車に駆動部を取り付けることによって、電動アシスト自転車のように人力を補助するシステムである。

 最大積載荷重は1トンで、平地における最高速度は2~3km /h。駆動部を台車前輪に取り付け、操作部とバッテリー部は台車ハンドルに設置する。駆動部は左右が独立しており、それぞれ手元で制御できるから細やかな旋回運動が可能だ。とくに負担の大きい動き出しがスムースになるから、重い荷物も簡単、安全に運搬できるようになる。あと付けが可能な仕様になっており、実用化にも期待が寄せられている。

 また、同様に「メカナムホイール」にも熱い視線が注がれている。これは、外円上を45°傾いた樽型のローラーで覆った車輪のこと。一般に、台車の方向転換は人力により前輪の方向を変えることで行い、車両はステアリング機構で前輪の方向を変えて行なっている。しかし、この車輪はホイールの回転方向を制御することで、さまざまな方向に移動が可能になるのだ。

 狭い場所でも簡単に方向転換ができるので、フォークリフト、自立移動ロボット、高所作業車などに採用されている。近い将来には台車用の車輪としても導入されるのではないかと期待されているのだ。これにリモコン装置を併用すれば、宅配ドライバーの配送業務も大幅に効率化が見込める。

 こういった新たな技術の導入が、2024年問題解決の一助なっていくのではないだろうか。

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