この記事をまとめると
■トラックドライバーにはSA・PAでの休憩が不可欠
■「430休憩」によって強制的に休憩を強いられることもある
■トラックの停車スペースは不足している
大きなサービスエリアはトラックで溢れかえっている
家族旅行や出張などで遠方へと出向くとき、高速道路のサービスエリアや一般道路沿いのコンビニなどを休憩がてらに利用するという人は多いだろう。それは長距離を走るトラックドライバーも同じで、深夜ともなると、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアなどがトラックでごった返している。なかには乗用車専用の駐車スペースまでトラックが占領しているため、マナーが悪いと感じた人もいるのではないだろうか。
一般の人たちにとって、休憩とはとても幸せに感じるひととき。疲れ切った体を癒やすべく施設へと立ち寄り、コーヒーなどで喉を潤す。狭い車体から降りて体を伸ばしたときの快感も、休憩ならではのものだ。しかし、遥かに長い距離を走っているであろうトラックドライバーたちは、疲れたからといって休憩している人たちばかりではない。国が定めた「430休憩」によって強制的に休憩を強いられている人や、荷主の都合に合わせて時間調整をしている人も多いのだ。そのため、主要高速の大きなサービスエリアなどはトラックで溢れかえってしまうのである。
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事故を起こす前に休憩しろというのは、理解できないわけではない。むしろ、そうするべきだろう。しかし、トラックの停車スペースが確保できていないのが現状である。いざサービスエリアに入ったものの駐車できず、やむなく次のパーキングエリアまで走ることを余儀なくされるトラックドライバーは数多く存在する。
それが「430規制」によるための休憩であればいざしらず、体力や眠気の限界による休憩のために立ち寄ったのであれば、そのままの状態でまだ走らなければならなくなる。体や頭は休憩モードに入っているため、そのような状態でまたトラックを走らせるという行為は、とても危険だ。しかも、次のパーキングエリアで休憩できるという保証はどこにもない。そのため、流入路や流出路などの駐停車禁止区間にまでトラックを駐める人が多いのである。
乗用車専用のスペースにトラックを駐車するという行為も褒められたものではないが、逆もまた然り。むしろ車体が大きな大型トラックは駐車できる場所が限られているため、とても困ってしまうのだ。トレーラー用のスペースに大型トラックを駐車するのも同様に、与えられた専用のスペースに自車を駐車するということが最低限のマナーであり、礼儀であるのは間違いない。
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しかし、夜間の高速道路においては綺麗事では行かない。乗用車用のスペースを利用しなければ、トラックを駐車することができないからだ。それはひとえに、スペースの確保ができていないという問題点に直結する。
最近になって時間制の駐車スペースが生まれたが、件の「430休憩」が2024年問題により厳しく改正された。これまでは非運転時間であれば問題なかったのだが、改正後は純粋に休憩をしなくてはならなくなったのだ。現場を知らない国のお偉方が考えることと国民が求めているものとの温度差やズレはいまに始まったことではないが、ここまで後手にまわると呆れてしまうばかり。それでも、日本の経済や物流を担うトラック業界が少しでも働きやすい環境になることを願いたい。