横転事故が話題に上るキャンピングカー! そもそもキャンピングカーは横転しやすいのか?

この記事をまとめると

■キャンピングカーはその特性上横転しやすいといえる

■重くて高さがあるため横風の影響を受けやすい

■タイヤにかかる負荷も大きいため注意が必要だ

キャンピングカーは横転しやすい?

 数カ月前になるが、上信越道でキャンピングカーが横転事故を起こし、話題になったことを覚えておられるだろうか。この報道でキャンピングカーは横転しやすい車種、というイメージをもった人も多いのではないだろうか。

 キャンピングカーの横転事故は、件数でいえばそれほど多いわけではない。というのも、増えたとはいってもクルマ全体の保有台数の約8300万台から見れば13万台弱とまだまだ少ないからだ。

 しかしその特性上、横転しやすい要素を多く含んでいることは確かだ。それはいろいろな要素があり、それぞれが絡み合って横転事故が起こっていると考えていいだろう。まず重量があり、3m前後の全高から重心が高く横風の影響も受けやすいという車体の形状は、乗用車と比べると格段に不安定になりやすい。

 タイヤのトレッドに対して車幅が広いキャンピングカーも多い。一度横向きに大きな力がかかると、タイヤへの負担が上昇するだけでなく、大きく車体がロールして横転の危険性が高まる。

 車重が重いことからタイヤに対する負担も大きく、バーストする危険性も高い。もちろんキャンピングカーメーカーは、重量増に対応した強度のあるタイヤを選んでいるが、タイヤの点検を怠ったり、釘などが刺さってスローパンクを起こしている状態のまま走行すると、バーストする確率が高くなってしまうのだ。

 最近はレンタカーとしての需要も高く、日頃は乗用車を運転しているドライバーが一時的にキャンピングカーを運転するケースが多いことも、横転事故を起こしやすい環境のひとつだといえるだろう。

 通常の走行時には車体が大きく、運転操作に対する反応が鈍いから乗用車のような感覚で動かそうと大きくハンドルを切ったりすると一気に車体が不安定になる。それが路面にうねりや傾斜がついているような地点だったり、横風を受けている状態などでは、一気に車体が不安定になってしまうことになりかねないのだ。

 キャンピングカーといってもベース車両によって、走行時の安定性は変わってくる。車高が高くなりがちなキャブコンや軽トラベースの軽キャンは、どちらかといえば走行安定性は高くない車種だ。

 逆にハイエースなどのバンコンのほうが走行時の安定性は高い。むしろハイエースはベース車のバンのままで空荷のほうが横風などに弱いが、キャンピングカーになると重くなって安定性が高まるケースもある。

 トラックやハイトワゴンも横転しやすいが、数が多いのですべての横転事故が報道されるわけではない。それに対し、キャンピングカーは横転すると目立つ故に話題性が高いため、報道されやすく印象に残ることも理由としてありそうだ。

 先述の上信越道での横転事故では8歳の男児が亡くなるという悲惨な結果を招いてしまった。走行中はシートベルトやチャイルドシート、ジュニアシートをきちんと着用し、慎重な運転が求められるのがキャンピングカーだ。

 とくに悪天候や高速道路ではドライバーは運転に集中して、乗員も安全を確保することが大事。リラックスするのは駐車中か、天候の良い郊外の一般道をのんびり走っているときだけにしてほしい。


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