5ドア化で実用性は劇的に向上!
肝心の走りはどうか。
とくに気になるのはジムニー本来の悪路走破性だが、ホイールベースの340mm延長に伴い、ランプブレークオーバーアングルは「ジムニーシエラ」の28°から25°に減少している。だが、アプローチアングル36°、ディパーチャーアングル47°、最低地上高210mmは変わっておらず、依然として高い水準にあると見てよいだろう。
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また、ホイールベース340mm延長のため、ラダーフレームのうちセンターフレームを延長のうえ、センタークロスメンバーを追加している。これらに伴い車重が約100kg増加したため、プロペラシャフトの長さおよび直径を拡大し、フロントブレーキローターをソリッドディスクからベンチレーテッドディスクに変更。スプリング・ダンパー・スタビライザーもセッティングを変更したほか、4速AT車ではパーキングロック機構の強度を高めている。
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これらの変更により、とくに期待できるのは、高速域での直進安定性向上と、路面の凹凸に対するピッチングの減少だ。そのため、オンロードを走る機会が大半であれば「ジムニーノマド」のほうがオススメ……といいたところだが、最小回転半径は「ジムニーシエラ」の4.9mに対し0.8mも大きい5.7mとなっている。
つまり、狭い場所での車庫入れやUターンの難易度は、ボディサイズから想像するよりも遥かに高くなるため、可能な限り購入前に試乗して確かめたほうがよいだろう。
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内外装も細部が異なる。まず外装は、Aピラー以降の側面とルーフの形状が、ドアハンドルを除いて全面的に変更。フロントグリルは「ジムニーシエラ」のマットブラックに対し、「ジムニーノマド」はガンメタリック塗装のうえ5スロットリングにメッキが施され、質感アップが図られている。
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室内では、後席用パワーウィンドウスイッチがリヤドアのほかフロントコンソールにも設けられるほか、荷室左側面にラゲッジルームランプが追加されるのも見逃せない。
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ボディカラーは「ジムニーシエラ」にはない「ジムニーノマド」専用色として、シズリングレッドメタリック/ブラックルーフと、インドでの上級グランド「ネクサ」のイメージカラーであるセレスティアルブルーメタリックを設定。そのほかジャングルグリーン2、シフォンアイボリーメタリック2/ブラックルーフ、アークティックホワイトパール、ブルーイッシュブラックパール4の、計6種類から選択可能だ。
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ADAS(先進運転支援システム)は「ジムニー」シリーズとして初めて、ステレオカメラ式の「デュアルカメラブレーキサポート」を標準装備。そのほか、前方誤発進抑制機能や車線逸脱警報などを全車に、4速AT車にはさらに後退時ブレーキサポートや後方誤発進抑制機能、ACC(アダプティブクルーズコントロール)も標準で実装している。
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そんな「ジムニーノマド」は、「FC」のみのモノグレード展開で、エンジンは「ジムニーシエラ」と共通のK15B型1.5リッター直列4気筒ガソリンNAエンジンのみ。トランスミッションは「ジムニー」「ジムニーシエラ」と同じく5速MTと4速ATから選択可能だ。
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価格は5速MT車が265万1000円、4速AT車が275万円。「ジムニー」「ジムニーシエラ」に続いて大ブレイク必至の「ジムニーノマド」。少しでも早く手に入れたいならいますぐにディーラーへ急げ!