「スポンジの使いまわし」「ピーカンの炎天下」「機械洗車も場合によっちゃ……」 クルマにキズをつけるNG洗車7つ (2/2ページ)

洗い方にも要注意

ゴシゴシ&グルグル洗い

 ボディに付着した汚れをついついスポンジでゴシゴシ洗ったり、円を描くようにしてしまったり……。この洗い方がクセになっているだけかもしれませんが、これも「百害あって一利なし」の行為です。

 ボディの汚れを落とすときは力を入れすぎず、またスポンジも一定方向(上から下)に動かすだけでも円を描いたような洗車傷がつきにくくなります。どこまで気にするか、どこまでこだわるかは人それぞれかもしれませんが、こういった積み重ねが1年後、2年後と、時間が経つにつれてコンディションの差となって現れてくるのです。

機械洗車

 これはいつの時代も議論されているであろう「機械洗車」問題。洗車メーカー自身、ブラシの素材やボディに対する密着度の度合いなど、日々研究を重ねているので進化していることは確かです。少なくとも「めったに洗車しない」あるいは冒頭の「事前に水をかけずにいきなり濡れた雑巾やウエスで洗車する」よりは、機械洗車の高圧洗浄のほうが効果的に汚れを落としてくれることは間違いないです。

 とはいえ、オフロードを走ってきたのかといいたくなるような、全身泥だらけのクルマのあとに機械洗車の順番がまわってくると泣きたくなります(経験あり)。まったく洗車しないよりはいいけれど、多少なりとも塗装面へのダメージがあることは避けて通れないでしょう。

洗車のし過ぎ

 週イチのノルマで洗車をしたり、なかには乗って帰って来たらその都度洗車というツワモノもいます。洗い方にもよりますが、そのような過度な洗車はきれいになるどころか逆効果になる可能性もあります。

 定期的に洗車をしなければ気もちが収まらない。何かすっきりしないという心情も十分に理解できます。しかし、その自己満足がかえってクルマを傷つけているとしたら……? このルーティンを切り替えるのは難しいかもしれませんが、たまには洗車しなくてもいいかと思えるくらいの緩さをもちあわせたいものです。

まとめ:こだわりはじめたらキリがない

 音質にこだわるオーディオファンのなかには、スピーカーやアンプ、ケーブルはもちろんのこと、オーディオルームや防振材だけでなく「マイ電柱」を設置するツワモノも存在します。本気で良い音質を求めていくと、高級車が買えるような費用がかかることも少なくありません。まさに究極のオトコ(オンナ)のロマンです。

 ジャンルが異なるだけで、洗車の世界も同様です。一連の洗車道具、洗車する環境、使う水、洗車のたびにクルマにウマをかけてホイールの内側やホイールハウスのなかまで水洗い。究極を求めはじめたら際限がありません。オーディオの世界とは異なり、クルマは屋外で使用する道具です。100メートルでも走れば汚れますし、ちょっとした傷もつきます。

 予算と手間と時間。自分なりの「良い意味での妥協点」を見出し、多少の洗車傷は目をつぶることで楽しい洗車ライフが送れるはずです。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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