英国の覇者が日本に上陸
そのときから25年の歳月を経た2024年、WRC第13戦として11月21日〜24日に愛知県・岐阜県で開催された「ラリージャパン」に、カストロール・カラーのトヨタ車両が復活。クリス・イングラム選手がカストロール・カラーのGRヤリスRally2で、WRCの日本ラウンドにチャレンジした。
イギリス人のイングラム選手はイギリスラリー選手権で活躍しており、2024年には4勝をマークしてチャンピオンを獲得。さらに彼の所属する「カストロールMEMトヨタ・チーム」もチーム部門を制するなど、まさにイギリス最強のパッケージとして活躍した。
WRCに関しても2021年にデビューして以来、イングラム選手はヨーロッパ圏内のラウンドでキャリアを重ねており、2022年にはWRC直下のカテゴリーとなるWRC2のジュニア部門で2勝をマーク。さらにGRヤリスRally2にマシンをスイッチした2024年は前述のとおり、イギリス選手権で猛威を発揮しており、その勢いのまま日本に上陸、WRCの最終ラウンドにチャレンジしたのである。
「ラリー・ジャパンのステージは難しいし、GRヤリスでターマックを走るのも初めてなので、かなり大変だよ」と語るイングラム選手だが、それでも安定した走りを披露。SS1でWRC2クラスの6番手タイムをマークすると本格的な競技が行われた翌日のデイ2でも好タイムを連発し、クラス6番手で競技2日目をフィニッシュしていた。
イングラム選手はデイ3でもポジションをキープしたほか、デイ4のSS17ではクラス5番手にポジションを挙げていたのだが、SS18で予想外のハプニングが発生。これまで順調な走りを見せていたイングラム選手は、燃料系のトラブルによりそのままリタイヤすることに。
まさにイングラム選手にとって初のラリージャパンは悔しいリザルトとなったが、数多くの日本のファンがカストロール・カラーのGRヤリスに高揚感を味わったに違いない。
「日本のファンは情熱的で忘れられない週末になった。いい経験になったよ」とイングラム選手は語っているだけに、今後もイングラム選手、そしてカストロールMEMトヨタ・チームのGRヤリスRally2の動向に注目したい。
なお、独占取材となった「カストロールMEMトヨタ・チームのGRヤリスRally2」の詳細は、本記事の画像ギャラリーよりご覧あれ。