終末感あふれる魔改造! デ・トマソ・パンテーラ改め「ピエンテーラ」に絶句!! (2/2ページ)

オーナーによるアイディアが満載された世紀末カスタム

■独特な世界観でまとめられたカスタムのポイント

 まず、このマッドマックス的なスタイルを作り出す最大のポイントは、大径ホイールとオフロード用タイヤの組み合わせを採用したことでしょう。

 ホイールは「Fuel Off Road」社の「D101 ZEPHYR BEADLOCK」でサイズは17インチ。組み合わせるタイヤは「MICKEY THOMPSON」社の「 BAJA LEGEND EXP」でサイズは265/65-17。このバカでかいセットを4輪に装着したうえで、リヤのエンジンルームの上部空間にスペアを2セット搭載するという大胆な構成です。

 取材時点では後述のマフラーを製作していたためにスペアの2本は未搭載でしたが、38.1φの鋼管で製作された専用のラックとともに装備されるとのこと。

 その大径タイヤの装着に合わせてサスペンションもカスタム。特注のダンパー&コイルスプリングを装着して純正のサスアームの限界まで車高を上げています。

 そして、そのスパルタンな雰囲気のタイヤに合わせて、かつて見たことがない、パイプを活用したオーバーフェンダーが装着され、同じパイプを使ったバンパーと共に存在感を際立たせています。これは村手さんの発案だそうで、装着に用いる厚板をカットして大量のカラー付きのボルトで構成されるステー部分も見どころです。

 リヤホイールにはワンオフ製作によるターボファン風のカバーが装着されていて、全体の雰囲気にメカニカルな印象を加えています。

 搭載されているV8エンジンはノーマルですが、マフラーは「アートレーシング」の金属加工専門の職人によるワンオフ品が装着されています。

 これは音量の切り替えがおこなえるバルブを備えたもので、76.3φのステンレスパイプを細かくカットしてから、弧を描くようにそのピースをひとつひとつ繋ぎ合わせていく、通称“エビ管”という、とても手の込んだ方法で製作されたものです。

 熟練の職人の仕事によって、近くで見てもしっかり鑑賞に堪えられる見事な仕上がりとなっています。

 外観ではもうひとつ、ルーフに装着された大径のライトのようなユニットが目を引きます。これはオーナーの加藤さんのアイディアで、愛称にある「ぴえん(悲しい様を表現する擬態語)」の絵文字があしらわれています。

 ちなみにこの黄色いカバーは調理用の鍋のフタだそうで、たまたまちょうどいいサイズが見つかったので採用したとのことです。

 内装はほぼノーマル状態ですが、覗き込んでまず目に飛び込んでくるヒョウ柄のシートがまた、全体の雰囲気に強めのスパイスを添えてくれます。これもオーナーの狙いだとか。

 また細かいところでは、給油口の“アストンキャップ”がクオーターウインドウの後部に左右共に装着されていますが、右側はダミーで、キャップを開けると愛猫の写真が現れるというオーナーの遊び心が現れます。

 この車輌は「雷雷公社」が主催した個展の賑やかしとして展示されたりと、PR用車両としても活躍しているようですので、またほかのイベントなどでお目見えできるかもしれません。

●取材協力:アートレーシング


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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