韓流ドラマの劇中車に「韓国車」が目立つ……って当たり前じゃない!? 世の中の流れを反映している「劇中車」事情 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■韓流ドラマで使われるクルマに韓国車が増えて来た

■アメリカのドラマではアメ車が多かったが最近はトヨタやレクサスも登場する

■劇用車に向いている絶妙なバランスのクルマを選ぶのが難しい

韓流ドラマの劇用車に変化あり

 2003年、日本の地上波放送で「冬のソナタ」が放映され高視聴率をマークすると、「第一次韓流ブーム」が日本国内に沸き起こる。「冬のソナタ」の大ヒット以降、日本では「韓流ドラマ(韓国のドラマ)」が相次いで放映されるようになった。

 韓国ヒョンデ自動車には「ソナタ」という、トヨタ・カムリと同等サイズのモデルがある。第一次韓流ブーム当時もソナタは販売されていた。しかも当時の日本では正規輸入販売までされていた。

 ただ、劇中車として登場しているわけでもないし、ドラマとも関係はなかったのだが、取り扱いディーラーには熱心な韓流ファンの女性が押し寄せ、「何かグッズがあったらほしい」といわれたそうだ(もちろんそんなものはない)。ただ、そんな声が多かった反面、目立って新車販売台数を押し上げるということはなかったようだ。

 韓流ドラマはそのストーリー性もあるのか、一度見ると続きが気になりハマってしまうようで、筆者も何本かハマってしまい視聴を続けた記憶がある。

 一方、その当時の韓国の現代を舞台にしたドラマでは、主演俳優や女優が乗るクルマはほぼ欧米車であった。いまの韓国では、富裕地域とされる江南地区あたりいけば、日本並みもしくは日本以上に欧米車や日本車などの韓国で見れば「輸入車」がたくさん街なかを走っているが、当時の韓国だとまだまだ輸入車は少数派であり(あってもメ,ジャーなドイツブランド車ばかり)、そのような街なかの風景に対し、ただでさえ少数派の輸入車のなかでも、とくに見かけるのがまれなブランドのモデルを俳優陣が劇中で乗りこなすという場面は、筆者にとっては違和感しか覚えなかった(当時ソウルは何回か訪れていたので街の様子は見ていた)。

 そして令和のいまでは、単なるブームという枠を超え、地上波、BS、CS放送などで日々韓国のドラマが放映されるようになった。

 そして筆者は最近、ひょんなことから視聴癖のついた韓国ドラマが1本ある。そのなかで、メインキャストである企業経営者役の俳優がヒョンデの上級ブランドとなる「ジェネシス」に乗っていた。映像でははっきりはしないのだが、その奥さんのクルマも韓国ブランドのモデルのようであった。

 このドラマだけではなく、最近の韓国ドラマでは主演級の俳優が劇中で乗るクルマが韓国車というのが当たり前のようになっているようだ。

 もちろん、なんらかのガイドラインのようなものがあり、劇中車は自国ブランド(ここでは韓国車)にするようになっているのかもしれないが、そんなことがなくとも、劇中使用しても第一次韓流ブームのころの韓国車に比べれば、少なくとも内外装の垢ぬけた車種が多くなっているので、ドラマの小道具として十分使えるようになったと判断しているのかもしれない。事実、首都ソウル市内ではたくさんのジェネシス車を見かけることができる。

 また、韓国の自動車市場も熟成期に入っており、劇中で人気俳優に乗ってもらうといったイメージ戦略を必要としないほど、輸入車マーケットというものが出来上がったのかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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