5リッターV8ツインターボは1000馬力超え! アメリカで誕生した「ナラン・ハイパークーペ」のFRライクな見た目にイチコロ (2/2ページ)

美しく高性能なハイパーカー

 ナラン・ハイパークーペのフロントミッドに搭載されるエンジンは、5リッターの排気量を持つV型8気筒ツインターボ。最高出力は1048馬力、最大トルクは1036Nmと発表されており、駆動方式は4WDが基本となるが、RWDを選択することもできる。

 組み合わせられるミッションは8速AT。このエンジンはドイツのレーシング・ダイナミクス社が開発、製作を担当したもので、結果0-96km/h加速を2.3秒で走り切る加速性能が実現されている。

 リヤの大型スポイラーが象徴しているように、エアロダイナミクスにも優れており、最大のダウンフォースは1377kgを達成した。

 モータースポーツから着想を得たアプローチでダイナミクスの開発を進めているのも、このモデルの大きな特徴だ。レースで培った知識を融合させ、次世代のアナログ・ドライビング・エクスペリエンスを創造。油圧ステアリング、4ウェイ調節式ダンパー、鍛造カーボンセラミックブレーキ、ダブルウイッシュボーンサスペンション、ハイブリッドカーボンホイールなどは、その代表的な例だ。

 とりわけ鍛造カーボンセラミックブレーキは、もともと24時間耐久レース用に開発された390mm径のもので、特注の冷却システムにより摩耗も大幅に低減されるという。

 ハイパーカーとして誕生したナラン・ハイパークーペだが、キャビンはリヤにも2名分のシートをもつ4シーターの設計だ。生産台数は前でも触れたとおり39台。独自の仕様にエクステリアそしてインテリアをカスタマイズできるのは当然だ。

 まもなくその限定生産に入るハイパークーペだが、じつはすでにそれをドライブした者は多い。2022年にはビデオゲームの「アスファルト9」に登場し、すでに多くのファンを魅了しているからだ。

 アメリカの地に、また一台の美しく高性能なハイパーカーが誕生した。その成功を心から願いたい一台だ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
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